6. 当院における緊急RCC払出症例についての分析

【はじめに】当院は高度救命センターを有する500床の病院である. 2006年1月~2011年7月に緊急(未クロス)で払出した109人(男74, 女35)の製剤使用率と救命率についての分析を行った. 【結果】O型RCC依頼は63/109人, 使用率は73.9%で, 8U以上払出では返却率30%以上であった. 同型RCC依頼は62/109人で使用率は80.8%であった. O型RCC輸血単位数別の救命率は, 5Uまでの輸血で71.4%, 6~10Uでは58.8%であった. 疾病別救命率は内因性疾患が80.0%, 交通外傷が36.4%, 墜転落が72.7%であった. 【まとめ】緊急払出は年々増加傾向に...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 58; no. 1; p. 87
Main Authors 市邉明美, 岡前文子, 有元美代子, 寺西節子, 中矢桂子, 藤原通恵, 徳永裕彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血・細胞治療学会 2012
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ISSN1881-3011

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Summary:【はじめに】当院は高度救命センターを有する500床の病院である. 2006年1月~2011年7月に緊急(未クロス)で払出した109人(男74, 女35)の製剤使用率と救命率についての分析を行った. 【結果】O型RCC依頼は63/109人, 使用率は73.9%で, 8U以上払出では返却率30%以上であった. 同型RCC依頼は62/109人で使用率は80.8%であった. O型RCC輸血単位数別の救命率は, 5Uまでの輸血で71.4%, 6~10Uでは58.8%であった. 疾病別救命率は内因性疾患が80.0%, 交通外傷が36.4%, 墜転落が72.7%であった. 【まとめ】緊急払出は年々増加傾向にある. O型RCC輸血単位数が少ないほど救命率が高い. また, 救命率は内因性疾患, 墜転落が高く交通外傷では低い. O型RCC 8U以上の払出で返却率が30%以上であったことから, O型RCC払出単位数の上限設定や, 時間外での同型血切替時間の短縮が課題である.
ISSN:1881-3011