4. 当院におけるPBSCの現状
【はじめに】当院では, 血液内科が実施していたPBSCに対し, 1996年から輸血部技師が介入している. 技師の業務は, 造血幹細胞の採取時の回路設定, モニタリング, 細胞の保存処理, 移植時の細胞融解であり, 医師, 看護師, 臨床検査技師によるチーム医療を実現させている. 今回, 当院におけるPBSCの推移についてまとめたので報告する. 【方法】PBSCの院内実施件数, 対象疾患の年次毎の推移, および造血幹細胞の採取時に認められた有害事象について調査し解析を行った. 【結果】実施件数は, 1998年の28症例, 69件をピークに減少傾向を示し2009年は8症例, 9件であった. また,...
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Published in | 日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 58; no. 1; p. 78 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血・細胞治療学会
2012
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ISSN | 1881-3011 |
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Summary: | 【はじめに】当院では, 血液内科が実施していたPBSCに対し, 1996年から輸血部技師が介入している. 技師の業務は, 造血幹細胞の採取時の回路設定, モニタリング, 細胞の保存処理, 移植時の細胞融解であり, 医師, 看護師, 臨床検査技師によるチーム医療を実現させている. 今回, 当院におけるPBSCの推移についてまとめたので報告する. 【方法】PBSCの院内実施件数, 対象疾患の年次毎の推移, および造血幹細胞の採取時に認められた有害事象について調査し解析を行った. 【結果】実施件数は, 1998年の28症例, 69件をピークに減少傾向を示し2009年は8症例, 9件であった. また, 症例あたりの採取回数は, 1999年の2.6回(1~6回)をピークに減少傾向を示し2009年は1.1回(1~2回)であった. 疾患別では, 2001年までは固形腫瘍が約半数を占めていたが, その後は減少し2007年以降はなかった. 一方, 悪性リンパ腫をはじめとする造血器腫瘍の絶対数に変化はほとんどなかったため, 近年では相対的に割合が増加した. また, 採取時に有害事象として, 悪心としびれが発生していたが重篤な症例は認めなかった. 【考察】PBSCを安全かつ適切に実施するためには, 多職種の関与が必須である. 現在, 「院内における血液細胞処理のための指針(案)」が示されており, 今後はこれに基づく体制の強化(文書大系作り)を図っていきたいと考えている. |
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ISSN: | 1881-3011 |