5. 学会認定・アフェレーシスナースの立場から
【はじめに】2010年に認定されたアフェレーシスナースは, 血液成分採血分離装置を用いて患者やドナーから末梢血幹細胞, リンパ球, 血小板, 樹状細胞などの成分を採取する成分採血業務に従事する. 【目的】成分採血時の安全性の向上のためにアフェレーシスに精通し, 安全なアフェレーシスに寄与することが出来る看護師の育成をめざす. 【当院の現状】アフェレーシスの頻度は, 1999年1月から2010年12月までの12年間に901件あり, 月平均6.3件であった. 年齢は, 生後1歳7カ月から58歳までと幅広い. アフェレーシスは, 輸血・移植免疫部で行い, 採血ライン確保は担当医が, 機器の操作は輸血...
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Published in | 日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 57; no. 3; pp. 217 - 218 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血・細胞治療学会
2011
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ISSN | 1881-3011 |
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Summary: | 【はじめに】2010年に認定されたアフェレーシスナースは, 血液成分採血分離装置を用いて患者やドナーから末梢血幹細胞, リンパ球, 血小板, 樹状細胞などの成分を採取する成分採血業務に従事する. 【目的】成分採血時の安全性の向上のためにアフェレーシスに精通し, 安全なアフェレーシスに寄与することが出来る看護師の育成をめざす. 【当院の現状】アフェレーシスの頻度は, 1999年1月から2010年12月までの12年間に901件あり, 月平均6.3件であった. 年齢は, 生後1歳7カ月から58歳までと幅広い. アフェレーシスは, 輸血・移植免疫部で行い, 採血ライン確保は担当医が, 機器の操作は輸血・移植免疫部の医師が行っている. アフェレーシスナースは予定前日に成分採血機の日常点検と採取用品の準備, 対象者情報の収集等を行っている. 当日は, 採血キットの装着とドナーが快適に成分採取できるように環境を整え, アフェレーシス中は, バイタルチェック等を行う. 血管選定のための保温や良肢位の確保も重要な業務である. 採血時には, 検査技師と共に介助し, 細胞処理は検査技師が担当する. 医師, 検査技師, 看護師の共同作業が不可欠である. 【まとめ】アフェレーシスの所要時間は, 約3時間と長く, しかも連続式のため両腕が拘束される. アフェレーシスナースは1)ドナー(患者)の全身状態の把握 2)ドナー(患者)の緊張をほぐすための環境づくりと良好な医療チームワーク 3)ドナー(患者)が苦痛や不安を容易に表現できるような雰囲気づくり 4)機器の管理と日常点検が重要である. 【最後に】私たちは, 制度としてはスタートラインに立ったばかりであるが, 他の医療者と力を合わせて, 制度の目的に沿うようにステップアップしていきたい. |
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ISSN: | 1881-3011 |