7. 血液事業の広域運営体制が医療機関に及ぼす影響等について

【目的】当センターでは, 毎年, 医療機関の輸血担当窓口との懇談会を開催している. 今回は, 血液事業の製剤・検査業務集約化を伴う広域運営体制が個々の医療機関に及ぼす影響について, 事前アンケートとともに懇談会にて得られた要望や提案について検討したので報告する. 【方法】平成21年7月, 岡山県内163医療機関を案内対象にして, 県内3地域にて5回の懇談会を開催し, 同時に血液センターに対する満足度を中心としたアンケートの協力も依頼した. 懇談会の座席配置は, 各医療機関参加者が全員発言できるように「ロノ字」にて行なった. 【結果】参加医療機関数は92医療機関, のべ参加人数121人(内訳:医...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 56; no. 3; p. 419
Main Authors 岡田英俊, 内藤俊二, 直木恭子, 藤原幸一, 土岐博信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血・細胞治療学会 2010
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Summary:【目的】当センターでは, 毎年, 医療機関の輸血担当窓口との懇談会を開催している. 今回は, 血液事業の製剤・検査業務集約化を伴う広域運営体制が個々の医療機関に及ぼす影響について, 事前アンケートとともに懇談会にて得られた要望や提案について検討したので報告する. 【方法】平成21年7月, 岡山県内163医療機関を案内対象にして, 県内3地域にて5回の懇談会を開催し, 同時に血液センターに対する満足度を中心としたアンケートの協力も依頼した. 懇談会の座席配置は, 各医療機関参加者が全員発言できるように「ロノ字」にて行なった. 【結果】参加医療機関数は92医療機関, のべ参加人数121人(内訳:医師9人, 検査技師76人, 薬剤師18人, 看護師18人)であった. アンケート項目のうち, 満足度が高いのは発注や配送への対応で, 不満足度が高いのは, 製剤ラベルと検査・製剤業務の集約化による影響であった. 懇談会では特に, 輸血検査への技術協力について, 血液センターのバックアップ体制が強く求められた. 【結論】今回の懇談会は, 各医療機関参加者が全員発言できるような進行形式で行った. これにより, 検査・製剤業務の集約化が医療機関へ及ぼす影響への不安が, 輸血担当窓口の不満に繋がっていることが分かった. 今後も, 医療機関との対話を重視し, より良い地域輸血医療体制が構築できるよう, 種々な活動を続けていきたい.
ISSN:1881-3011