一般演題3. Rh0(D)陰性患者に抗D+C様抗体が産生した1症例

【はじめに】当院においてRh0(D)陰性患者にRh0(D)陰性血を輸血したにも関わらず, 抗D+C様抗体を産生した症例を経験したので報告する. 【症例】61歳男性, 当院救急外来にて右胸水貯留を認めたため入院となる. 慢性肝疾患及び慢性炎症からの貧血亢進により2009. 6. 3にO型Rh0(D)陰性, RCC 4単位輸血を施行. この時点では抗体スクリーニングは陰性であった. 同理由により2009. 6. 22にO型Rh0(D)陰性RCC 4単位輸血を依頼されたが, 抗体スクリーニングが陽転化したため輸血を施行せず. 院内での同定が不可能であったため, 今後のことを考え大阪府赤十字血液センタ...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 56; no. 1; pp. 78 - 79
Main Authors 石田朋子, 竹山佳織, 三好真由美, 永峰知子, 辻博之, 竹内由紀子, 木村恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血・細胞治療学会 2010
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ISSN1881-3011

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Summary:【はじめに】当院においてRh0(D)陰性患者にRh0(D)陰性血を輸血したにも関わらず, 抗D+C様抗体を産生した症例を経験したので報告する. 【症例】61歳男性, 当院救急外来にて右胸水貯留を認めたため入院となる. 慢性肝疾患及び慢性炎症からの貧血亢進により2009. 6. 3にO型Rh0(D)陰性, RCC 4単位輸血を施行. この時点では抗体スクリーニングは陰性であった. 同理由により2009. 6. 22にO型Rh0(D)陰性RCC 4単位輸血を依頼されたが, 抗体スクリーニングが陽転化したため輸血を施行せず. 院内での同定が不可能であったため, 今後のことを考え大阪府赤十字血液センターへ抗体同定を依頼した. 【結果】抗D+C様(抗G)+C+Jk a複合抗体を認めた. 【考察】稀ではあるが, Rh0(D)陰性患者にG抗原が発現している場合があり, 抗D+C様抗体を産生する可能性があることがわかった. 以上のことから, 今後もRh0(D)陰性患者の輸血に注意を払いたい.
ISSN:1881-3011