3. 中小病院における在庫と廃棄

【はじめに】輸血指針の改定や血液センター集約化等輸血環境の変化と厳しい医療環境から中小病院特有の問題が存在する. この問題点を在庫と廃棄から報告する. 【在庫】血液センターへの返品が不可となった時点で常備在庫をやめたため手術準備血のT&S対応が問題となった. さらに, 危機的出血時のO型輸血や当直時の発注業務軽減などを考慮すると手術準備血として同型4単位, 緊急対応としてO型4単位が適切と考えられる. 【廃棄】製剤は入庫3日以内に使用されるが, 手術準備血は大半が需要減少と納品時残存有効期間の短縮から期限切れ廃棄となっている. 【提案】中小病院では経済的立場から在庫に制限をおくと, 手...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 55; no. 5; p. 664
Main Author 多和田嘉明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血・細胞治療学会 2009
Online AccessGet full text
ISSN1881-3011

Cover

More Information
Summary:【はじめに】輸血指針の改定や血液センター集約化等輸血環境の変化と厳しい医療環境から中小病院特有の問題が存在する. この問題点を在庫と廃棄から報告する. 【在庫】血液センターへの返品が不可となった時点で常備在庫をやめたため手術準備血のT&S対応が問題となった. さらに, 危機的出血時のO型輸血や当直時の発注業務軽減などを考慮すると手術準備血として同型4単位, 緊急対応としてO型4単位が適切と考えられる. 【廃棄】製剤は入庫3日以内に使用されるが, 手術準備血は大半が需要減少と納品時残存有効期間の短縮から期限切れ廃棄となっている. 【提案】中小病院では経済的立場から在庫に制限をおくと, 手術中や緊急時に適切な供給ができない危険がある. 常備在庫を可能にするには血液製剤の有効期間が欧米諸国並みに延長されることが最も有効だが, 使用目的別発注が可能になれば少しは廃棄血減少が期待できるのではないかと考える.
ISSN:1881-3011