2. 富山県における輸血前後感染症検査の現状―アンケート調査より
【はじめに】「輸血療法の実施に関する指針」の一部改定(平成16年9月)及び「血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン」(平成17年3月)を受けて, 医療機関では輸血前後の感染症検査と輸血前後患者血清(又は血漿)の保管が望まれるようになった. 今回, 富山県内の医療機関における輸血前後感染症検査の対応状況等を把握するためアンケート調査を行ったので結果を報告する. 【方法】平成19年度に輸血用血液を100単位以上供給した医療機関41施設を対象とし, 前回(平成17年1月実施)のアンケート調査結果と比較した. 【結果】今回41施設中36施設から回答を得た(回収率87.8%). (1)「輸血前検査を実施し...
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Published in | 日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 55; no. 1; p. 76 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血・細胞治療学会
2009
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ISSN | 1881-3011 |
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Summary: | 【はじめに】「輸血療法の実施に関する指針」の一部改定(平成16年9月)及び「血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン」(平成17年3月)を受けて, 医療機関では輸血前後の感染症検査と輸血前後患者血清(又は血漿)の保管が望まれるようになった. 今回, 富山県内の医療機関における輸血前後感染症検査の対応状況等を把握するためアンケート調査を行ったので結果を報告する. 【方法】平成19年度に輸血用血液を100単位以上供給した医療機関41施設を対象とし, 前回(平成17年1月実施)のアンケート調査結果と比較した. 【結果】今回41施設中36施設から回答を得た(回収率87.8%). (1)「輸血前検査を実施している」と回答した施設は, 前回の14施設(37.8%)から, 今回は27施設(75.0%)に倍増した. その27施設中, 同検査を入院時検査項目として扱う施設は, 22施設(81.5%)だった. 検査項目は15施設(55.6%)が「HBs抗原+HCV抗体」を選択していた. (2)「輸血前検体を保管している」と回答した施設は, 前回28施設(75.7%), 今回29施設(80.6%)で微増だった. (3)「輸血後検査を実施している」と回答した施設は, 前回の5施設(13.5%)から, 今回17施設(47.2%)に増大した. 輸血後検査の項目として過半数の11施設(64.7%)が「HBV-DNA+HCVコア抗原+HIV抗体」を選択していた. 【まとめ】前回の調査に比べ輸血前後の感染症検査の実施施設が増加し, 医療機関において体制が構築されていることが考えられる. しかし, 未だに実施されていない医療機関もあり, 今後も継続した情報提供が必要と考える. |
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ISSN: | 1881-3011 |