S-5. 当院における大至急輸血の現状

【はじめに】当院はベッド数1082床(精神400床を含む)で, 県内唯一の3次救命救急センターを有している. 1973年より検査室で輸血業務を一元管理し, 検査技師が24時間体制で輸血検査業務を行っている. 今回我々は, 当院における大至急輸血について調べたので報告する. 【対象】2006年4月~2008年9月までの2年半で, 緊急交差適合試験(生食法)を実施する間もなく赤血球を使用した『大至急』の例を対象とした. 【結果】当院では2006年4月~2008年9月までの2年半で, 16,168単位の赤血球を使用しているが, 対象となったのは58例で延べ490単位使用した. 使用場所の殆どが救命救...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 55; no. 1; p. 74
Main Authors 押野寛美, 小林悦子, 辻岡清美, 坂田充子, 渡辺哲朗, 宮越伸治, 森永浩次, 羽場利博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血・細胞治療学会 2009
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ISSN1881-3011

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Summary:【はじめに】当院はベッド数1082床(精神400床を含む)で, 県内唯一の3次救命救急センターを有している. 1973年より検査室で輸血業務を一元管理し, 検査技師が24時間体制で輸血検査業務を行っている. 今回我々は, 当院における大至急輸血について調べたので報告する. 【対象】2006年4月~2008年9月までの2年半で, 緊急交差適合試験(生食法)を実施する間もなく赤血球を使用した『大至急』の例を対象とした. 【結果】当院では2006年4月~2008年9月までの2年半で, 16,168単位の赤血球を使用しているが, 対象となったのは58例で延べ490単位使用した. 使用場所の殆どが救命救急センターであった. ショックなどで採血が不可能な場合, または, 血液型検査の時間的余裕もない場合のO型赤血球の使用については19例あり92単位使用. すべて救命救急センターで, そのうち6例が救命され, 後追いで交差適合試験も実施し, 特に問題となる輸血副作用はなかった. オーダ入力が間に合わなくて伝票対応となったケースは28例あった. また, 『大至急』の発生時間帯は72%が時間外であった. 【考察】救命救急センターではO型赤血球を躊躇することなく使用しており, 検査室は時間外であっても手際よく赤血球を出庫していた. 今後, さらに緊急輸血体制を充実できるよう病院全体で取り組まねばならないと考える.
ISSN:1881-3011