10. 当院における血小板輸血の現況-急性白血病症例における出血予防について

【緒言】急性白血病症例では, 原疾患及び化学療法後の影響により血小板数減少が著明となり, 出血予防に対する血小板輸血が必要となる. 厚生労働省の指針によると, 出血予防の場合の血小板数値は1~2万/μL以上とされている. 今回我々は当院における血小板製剤の使用の現状について検討した. 【対象】2004年4月から2007年3月までの3年間に血小板輸血を行った急性白血病症例について血小板輸血オーダーのタイミングについて検討した. 【結果・考察】血小板輸血オーダーのタイミングは原則として輸血を必要とする日の2日前にオーダーすることとしているため, 輸血当日の血小板数が2万/μL以上となる場合がある....

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 53; no. 6; p. 637
Main Authors 和田暁法, 野口晋佐, 安本篤史, 太田秀一, 中田匡信, 今井陽俊, 平野貞一, 小林直樹, 小笠原正浩, 木山善雄, 笠井正晴, 山本哲, 池田久實
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血・細胞治療学会 2007
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ISSN1881-3011

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Summary:【緒言】急性白血病症例では, 原疾患及び化学療法後の影響により血小板数減少が著明となり, 出血予防に対する血小板輸血が必要となる. 厚生労働省の指針によると, 出血予防の場合の血小板数値は1~2万/μL以上とされている. 今回我々は当院における血小板製剤の使用の現状について検討した. 【対象】2004年4月から2007年3月までの3年間に血小板輸血を行った急性白血病症例について血小板輸血オーダーのタイミングについて検討した. 【結果・考察】血小板輸血オーダーのタイミングは原則として輸血を必要とする日の2日前にオーダーすることとしているため, 輸血当日の血小板数が2万/μL以上となる場合がある. PC輸血のトリガー値を1万/μLに設定することを目標としてはいるが, 現実にはそれ以上の血小板数での輸血が行われているのが現状である. 血小板輸血のトリガー値を優先すると, 前日あるいは即日オーダーを余儀なくされることがある. 1回当たりの輸血単位数に関しては, 同種免疫感作を考慮すると, 高単位と低単位のいずれが優れているかを決めることは困難である. 予防的血小板輸血により致死的な出血は抑制されていると考えられたが, さらに低いトリガー値を設定できるかどうかについては, 今後前方視的に解析を進め, 貴重な血小板製剤を有効に活用できるよう検討を進めていく必要があると考えられる.
ISSN:1881-3011