4.緊急輸血時の対応について

当院は千葉県東総地区に位置し,千葉県東部および茨城県南部を診療圏とする地域基幹病院で一次から三次までの救急医療を実践する救急救命センターを併設している.交通外傷や大量出血を伴う腹部大動脈瘤破裂などの緊急手術が多く,そのため未交差血による緊急輸血の依頼も多く平成18年には年間37人51件依頼されていた.輸血部では緊急で未クロス・未照射血出庫を依頼された場合の手順についてマニュアルに記載し,全技師に教育研修を行ない周知している.緊急輸血の頻度は輸血専任技師が業務を行う日勤帯よりも夜間休日などの時間外に依頼される場合が多い.千葉県血液センターは千葉県西部にあり,当院まで緊急搬送でも1時間以上を要する...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 53; no. 3; p. 394
Main Authors 岩井利恵, 伊勢直美, 齋藤百合子, 高橋英則, 大江健二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血・細胞治療学会 2007
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Summary:当院は千葉県東総地区に位置し,千葉県東部および茨城県南部を診療圏とする地域基幹病院で一次から三次までの救急医療を実践する救急救命センターを併設している.交通外傷や大量出血を伴う腹部大動脈瘤破裂などの緊急手術が多く,そのため未交差血による緊急輸血の依頼も多く平成18年には年間37人51件依頼されていた.輸血部では緊急で未クロス・未照射血出庫を依頼された場合の手順についてマニュアルに記載し,全技師に教育研修を行ない周知している.緊急輸血の頻度は輸血専任技師が業務を行う日勤帯よりも夜間休日などの時間外に依頼される場合が多い.千葉県血液センターは千葉県西部にあり,当院まで緊急搬送でも1時間以上を要することから,緊急輸血に対応する目的で各血液型について血液製剤20単位を輸血部に備蓄し緊急時に対応と近隣医療機関への払出ができるようにしている.また,平成18年9月より輸血治療の安全性を確保する目的で輸血検査システムを更新し,輸血検査業務についてもオーダリングによる血液製剤依頼,交差適合試験,患者承認,輸血実施の全てのプロセスについてシステム化によるチェック体制を構築した.今回,当院輸血部における緊急時輸血の現状と体制について紹介す
ISSN:1881-3011