2.当院における輸血マニュアルの活用状況について
当部では院内の輸血実施手順を統一化する目的で2001年3月に「血液製剤取扱いマニュアル」を作成した. 今回, 今後の改訂に現場の声を反映させるため, アンケート調査を実施したので報告する. 対象は各診療科の医師及び看護師とし, 回収率は医師68%, 看護師92%であった. 「マニュアルを読んだことがあるか」の問いについては医師の55%, 看護師の8.8%が「いいえ」で, 「マニュアルに沿って輸血を実施しているか」の問いに対しては医師の82%, 看護師の26%が「いいえ」であり, 医師がマニュアルを有効に活用していないことが明らかになった. アンケートで寄せられた問題点(716件)の中では, マ...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 51; no. 6; pp. 624 - 625 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
2005
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Summary: | 当部では院内の輸血実施手順を統一化する目的で2001年3月に「血液製剤取扱いマニュアル」を作成した. 今回, 今後の改訂に現場の声を反映させるため, アンケート調査を実施したので報告する. 対象は各診療科の医師及び看護師とし, 回収率は医師68%, 看護師92%であった. 「マニュアルを読んだことがあるか」の問いについては医師の55%, 看護師の8.8%が「いいえ」で, 「マニュアルに沿って輸血を実施しているか」の問いに対しては医師の82%, 看護師の26%が「いいえ」であり, 医師がマニュアルを有効に活用していないことが明らかになった. アンケートで寄せられた問題点(716件)の中では, マニュアル全般の見やすさや構成について改善を求めるものが36%(259件), 輸血実施上の疑問点が33%(233件)を占めていた. 実施上の疑問点の内訳は, 輸血ルート選択やフィルターの使用方法など(39%), 確認, 照合, 記録などについて(25%), 輸血速度について(12%)などであり, 今後の改訂に際して参考となる点が明らかになった. 当部では年1~2回, 看護部や医療安全対策室との共催で輸血関連の講習会を開催しているが, マニュアルに沿った血液製剤の取扱い, 輸血申込みや輸血実施手順を周知徹底するためにはマニュアルの改訂と共に, 今後も講習会等を通じた啓蒙活動が医療安全対策上必要と考えられた. |
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ISSN: | 0546-1448 |