7.同種末梢血幹細胞採取における採取効率と造血幹細胞の性状解析

【目的】同種末梢血幹細胞移植ドナーにおける採取効率, 造血幹細胞の性状について検討した. 【対象】2001年2月~2003年7月まで実施した19例(男性5例, 女性14例), 以下中央値にて年齢38.0歳(10~59), 体重58.4kg(39.8~69.0)であった. 処理量8127.0ml(4415~11018.0)であった. 【結果】採取総CD34陽性細胞数(以下CD34数)は123.8×10E6(7.1~479.6)であり, 採取総CFU-GM数は29.7×10E6(1.1~81.9)であった. 採取前末梢血中CD34数と処理血液1Lあたりの採取CD34数および採取CFU-GM数との相...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 50; no. 3; pp. 504 - 505
Main Authors 伊藤経夫, 斉藤尚子, 工藤善範, 鈴木明, 成田香魚子, 佐藤裕子, 三浦淳子, 高橋博之, 峯岸正好, 亀岡淳一, 今泉益栄, 土屋滋, 佐藤信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2004
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Summary:【目的】同種末梢血幹細胞移植ドナーにおける採取効率, 造血幹細胞の性状について検討した. 【対象】2001年2月~2003年7月まで実施した19例(男性5例, 女性14例), 以下中央値にて年齢38.0歳(10~59), 体重58.4kg(39.8~69.0)であった. 処理量8127.0ml(4415~11018.0)であった. 【結果】採取総CD34陽性細胞数(以下CD34数)は123.8×10E6(7.1~479.6)であり, 採取総CFU-GM数は29.7×10E6(1.1~81.9)であった. 採取前末梢血中CD34数と処理血液1Lあたりの採取CD34数および採取CFU-GM数との相関係数はそれぞれr=0.767, r=0.773と高い相関を示した. また, 同一ドナーのG-CSF投与期間day4, day5の採取について, 総CD34数, 総CFU-GM数, CFU-GM/100CD34数を比較したが, 有意差は認められなかった. G-CSF投与後末梢血中のCD34数が20/μL未満と20/μL以上で比較した結果, 採取されたCD34100個当たり培養されるCFU-GM数に関して有意差を認めた. 【まとめ】1)採取前末梢血CD34数と採取総CD34数および採取総CFU-GM数には相関を認めた. 採取前末梢血中のCD34数は, 同種末梢血幹細胞採取におけるモニタリングの指標として有用であると思われた. 2)動員良好群と不良群における造血幹細胞には質的な差違が存在するものと思われた.
ISSN:0546-1448