3.血小板輸血PCの適応に悩んだ急性骨髄性白血病(AML,M2)の1例

AMLに破砕赤血球(fRBC)出現のために自動分析装置と目視による血小板数Pltとの解離が生じ, PCの適応を判断するのが困難であった一例を報告する. 【症例】65才, 男性. 主訴:発熱. 現病歴:H15年5月中旬より全身倦怠感, 労作性呼吸困難, 鼻出血を自覚. 同6月30日より38.5度の発熱出現し, 近医受診. 汎血球減少症を指摘され, 墨東ERに紹介. 両上下肢に点状出血. WBC800/μL, RBC189万/μL, Hb7.7g/dL, Hct21.9%, Plt2.6万/μL(目視0.4万/μL), PT106%, APTT32.5秒, FDP2.1μg/ml. 末梢血塗沫標本...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 50; no. 3; p. 488
Main Authors 大木史郎, 西村滋子, 秋山暢, 富山順治, 鈴木恵美子, 佐久間良子, 工藤洋子, 藤田浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2004
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Summary:AMLに破砕赤血球(fRBC)出現のために自動分析装置と目視による血小板数Pltとの解離が生じ, PCの適応を判断するのが困難であった一例を報告する. 【症例】65才, 男性. 主訴:発熱. 現病歴:H15年5月中旬より全身倦怠感, 労作性呼吸困難, 鼻出血を自覚. 同6月30日より38.5度の発熱出現し, 近医受診. 汎血球減少症を指摘され, 墨東ERに紹介. 両上下肢に点状出血. WBC800/μL, RBC189万/μL, Hb7.7g/dL, Hct21.9%, Plt2.6万/μL(目視0.4万/μL), PT106%, APTT32.5秒, FDP2.1μg/ml. 末梢血塗沫標本ではfRBCがあったが, 血栓性血小板減少性紫斑病の典型的な所見に乏しかった. CD41, Glycophorin-Aに対する抗体を用いたFACS検査によってPlt値の解離の原因はfRBCと結論づけた. PCの適応は目視によるPlt値によって判断した. PC1時間値は有意に増加した. 寛解導入療法後, 自動分析装置と目視によるPlt値の解離が徐徐になくなり, fRBCも消失した. 血小板減少の原因とfRBCとの関連, PCの適応に関して臨床上悩んだ一例であった.
ISSN:0546-1448