P208 成分採血由来製剤の混入白血球数に関する検討

【目的】全ての輸血用血液製剤において白血球数を低減化することが決定され, 導入後の混入白血球数(WBC)の管理基準は1×106/bag以下となる. そこで, 混入WBCの低減が期待される成分採血装置および採血キットにて採血した成分採血由来血小板製剤(PC)の混入WBCを測定し, 各製剤が管理基準を満たしているかを検討した. また現状の血漿製剤(PPP)についても混入WBCを測定した. 【方法】成分採血由来PCにおいて, CCS(Haemonetics/フィルター), アミカス(Baxter), トリマ, スペクトラ(GAMBRO), テルシス(Terumo/フィルター)の5機種, 成分採血由来...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 50; no. 2; p. 372
Main Authors 粟倉裕美, 吉田桂, 岩原幸子, 佐藤雅子, 小島聡, 本間稚広, 山本定光, 池田久實
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2004
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Summary:【目的】全ての輸血用血液製剤において白血球数を低減化することが決定され, 導入後の混入白血球数(WBC)の管理基準は1×106/bag以下となる. そこで, 混入WBCの低減が期待される成分採血装置および採血キットにて採血した成分採血由来血小板製剤(PC)の混入WBCを測定し, 各製剤が管理基準を満たしているかを検討した. また現状の血漿製剤(PPP)についても混入WBCを測定した. 【方法】成分採血由来PCにおいて, CCS(Haemonetics/フィルター), アミカス(Baxter), トリマ, スペクトラ(GAMBRO), テルシス(Terumo/フィルター)の5機種, 成分採血由来PPPはAUTO-C2(Baxter), SL-PCS(Haemonetics), MCS, Multi, CCS(Haemonetics)の5機種について, 採血当日又は翌日に検体を採取し, LD-2000(興和)又はFACSCalibur(BD)を用いて混入WBCを測定した. 【結果】混入WBCの管理基準を超えたPCは, フィルター処理を行なうCCS(n=200), テルシス(n=67)では各々3例であった. アミカスでは採血条件により異なり, 分離率45%では9.0%(19例)であったが, 分離率を40%に下げることで1.4%(3例)に減少した(各n=210). また分離率45%での混入WBCを機器間(7台, 各n=30)で比較すると, 2台は全例基準内であったが, 高頻度(23.3%(7例))に基準値を超えた機器もあった. トリマ, スペクトラでは全例基準内であった(各n=200). PPPでは, AUTO-C2は全例基準内であったが, SL-PCSでは64.3%(n=42), MCS, CCS, Multiは各々37.9%(n=29), 50.6%(n=83), 26.7%(n=60)と, 高頻度に基準値を超えた. 【考察】PCでは, フィルター付機種(CCS, テルシス)においても基準外製剤が発生したが, その頻度は5%未満であった. フィルターを通さない機種のうちトリマ, スペクトラは全例基準内だったが, アミカスでは採血条件並びに機器による差が見られた. PC中の混入WBCを管理する為には, これらの結果を踏まえた採血装置のバリデーション方法の確立が重要である. PPPにおいては, フィルター付キット又は採血装置の改良が待たれる.
ISSN:0546-1448