P104-0 当院における,輸血医療適正化への取り組み

【はじめに】当院は約700床の総合病院で, 近年三次救急に力を注ぎ平成15年に救命救急センターに指定された. これに伴い輸血療法の一層の安全性向上と適正化が必要となったため, 様々な取り組みを行なってきた. 今回, この取り組みの経緯, 特徴, 結果について報告する. 【経緯】H10年, 血液製剤管理業務を薬剤部から検査部に移行し, 時間内の輸血業務の一元化を行った. H13年, 病院改築に伴い輸血管理室が検査部内へ移動したのを機に, 全自動輸血検査装置を用いた検査部での輸血業務の24時間体制を確立した. 輸血担当部門の整備と平行し, H9年に設立した輸血問題検討委員会が中心となって, 輸血療...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 50; no. 2; p. 320
Main Authors 進士都, 津下圭太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2004
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Summary:【はじめに】当院は約700床の総合病院で, 近年三次救急に力を注ぎ平成15年に救命救急センターに指定された. これに伴い輸血療法の一層の安全性向上と適正化が必要となったため, 様々な取り組みを行なってきた. 今回, この取り組みの経緯, 特徴, 結果について報告する. 【経緯】H10年, 血液製剤管理業務を薬剤部から検査部に移行し, 時間内の輸血業務の一元化を行った. H13年, 病院改築に伴い輸血管理室が検査部内へ移動したのを機に, 全自動輸血検査装置を用いた検査部での輸血業務の24時間体制を確立した. 輸血担当部門の整備と平行し, H9年に設立した輸血問題検討委員会が中心となって, 輸血療法全般の安全性確保に向けての業務改善とガイドラインマニュアルの整備を行った. 【特徴】輸血管理システムの構築:輸血システムは検査システムに接続され, 両システムで血液型を確認し, 過誤の防止対策を行なっている. バーコードによる受付けから払い出しまでの管理を行い, 全自動輸血検査装置と輸血管理システムは24時間稼動させて時間外にも対応している. 輸血問題検討委員会の活動:血液製剤使用状況やヒヤリハット事例などの情報を収集分析し, 輸血業務運用上の問題点の発掘と解決に努めている. 【結果】1, 検査システムと連携した輸血検査管理システムを構築することにより, 安全性と適正化が向上できた. 2, 輸血関連情報の迅速な一元的管理が可能になった. 3, 輸血療法の適正化により, FFPの使用量, MAP血の廃棄が減少した. 4, 自己血採取パスを導入したことにより自己血採取の煩雑さが軽減され, 自己血輸血の推進に貢献できた. 5, 『輸血療法便覧』と題して輸血の実際, 副作用発生時の対応, 製剤の保管等に関するガイドラインを載せた指針を作成し, 院内で統一した輸血実施体制を確立した.
ISSN:0546-1448