19.北海道支部会によるI&A受審を経験して

• Published in: 日本輸血学会雑誌 Vol. 50; no. 1; p. 144
• Main Authors: 今昌幸, 久保田芳正, 小林一
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本輸血学会 2004
• ISSN: 0546-1448

【目的】安全で適正な輸血医療を実施するためには, 管理, 運営体制の問題点を確認し改善することが重要である. 今回, 当院の問題点を検証する目的で, 北海道支部会によるI&Aを受審したので報告する. 【方法】平成14年12月, 北海道支部会I&A委員会より視察受け入れ文書が送付された. 関連部署の承諾, 院内決裁を得て, 視察受け入れの返信をした. その後, IRF(inspection report form)の記入, 視察日程調整を経て, 平成15年4月15日視察が行われた. インスペクターは認定医1名, 認定輸血検査技師3名, 医薬情報課MR1名により行われ, 午前中にIRFの確認, 各種マニュアル, 関係書類の確認, 午後より, 輸血検査室, ICU, HCU, 救急救命センター, 内科病棟(血液内科)を現場視察し終了した. 【結果】6月にInspection実施報告書が届き, ARM(accreditation requirement manual)の基準を満たしていない点, 改善が望ましい点(マニュアルに関する事項3点, 設備に関する事項2点)が指摘された. 輸血療法委員会にて, 結果報告と指摘事項, 問題点について検討し, 管理職会議へ報告した. 今後, 改善事項および, 設備の増設など改善計画を取りまとめ, I&A委員会へ返信する予定である. 【考察】今回の受審をきっかけに, あらためて各種マニュアル, 管理, 運営体制を見直すことができた. また, 当院の問題点を客観的に, 十分に検証していただいたと感じている. 今後は, 指摘事項の改善と, 自発的に検証し問題点を改善するシステム作りが必要である. I&A受審は, 当院の安全管理対策上, 非常に有意義であったと考える.