11.インシデントレポートシステムの取組みについて
【目的】医薬品GMPの重要性がますます高まる中, 血液センターにおいても日々その対応に追われている. GMPでは少なくとも3つの要件を満たすことが必要とされ, そのひとつに過誤防止がある. 過誤を防止するためには, まず, 日常業務の中でどのような過誤又はヒヤリ, ハット(ニアミス)事例が発生しているか, その実態を把握する必要がある. さらに, そのような事例を把握することで, 過誤を起こしやすいところを明らかにし, より過誤を起こしにくい手順, システムを構築するができる. そこで, 当センターでは, 日常業務の中でヒヤリ, ハットしたこと及び過誤を起こしてしまったことを自主的に報告するシ...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 50; no. 1; p. 109 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
2004
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | 【目的】医薬品GMPの重要性がますます高まる中, 血液センターにおいても日々その対応に追われている. GMPでは少なくとも3つの要件を満たすことが必要とされ, そのひとつに過誤防止がある. 過誤を防止するためには, まず, 日常業務の中でどのような過誤又はヒヤリ, ハット(ニアミス)事例が発生しているか, その実態を把握する必要がある. さらに, そのような事例を把握することで, 過誤を起こしやすいところを明らかにし, より過誤を起こしにくい手順, システムを構築するができる. そこで, 当センターでは, 日常業務の中でヒヤリ, ハットしたこと及び過誤を起こしてしまったことを自主的に報告するシステムを構築し, 取り組んできたので, これまでの状況を報告する. 【状況】過誤及びニアミスが発生したときには, 既定の報告用紙に記載し, 発生部署ごとに報告を取りまとめる部署に提出した. (1)報告は部署の責任者の判断による自主報告であるため, 報告数には課による差がかなり見られた. (2)4~5月の人事異動の時期に過誤の発生が多く見られた. (3)過誤をスリップ(不注意, うっかり), ラプス(記憶違い), ミステイク(手順不備, 判断ミス), サボタージュ(ルール違反)の4つに分類すると, その大部分がスリップであることがわかった. (4)過誤の再発を防止するための対策は, 確認, チェックの徹底, 手順の確認, 遵守及び手順, システムの変更のほぼ3つに分類された. 【まとめ】(1)インシデントレポートシステムが職員全体に浸透しているとはいえず, そのためには, まず, 課の責任者に対する教育訓練が必要である. (2)過誤の大部分がうっかりミスや不注意によるものであることから, これらをいかに防ぐかが過誤を減少していくために重要である. |
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ISSN: | 0546-1448 |