16.山口県における輸血業務,緊急輸血の対応に関するアンケート調査結果
2000年より県健康福祉部薬務課の後援で, 年1回山口県輸血療法委員会合同会議を開催している. 各医療機関での輸血療法委員会設置の推進, 施設間の情報, 意見交換が主な目的である. 今回は「献血血液の有効使用と緊急輸血の対応」についてアンケート調査を行ったので結果を報告する. 【方法】2002年の会議に先立ち, 前回調査で輸血使用量の上位50施設に対しアンケートを行った. 【結果, 考察】調査した50施設の病院輸血スコアは18以上の大規模が6%, 8未満の小規模が72%であった. 専門の輸血部や管理室が設置されているのは12%, 50%に輸血療法委員会またはそれに代わる委員会が設置されていた....
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 49; no. 6; pp. 784 - 785 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
2003
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | 2000年より県健康福祉部薬務課の後援で, 年1回山口県輸血療法委員会合同会議を開催している. 各医療機関での輸血療法委員会設置の推進, 施設間の情報, 意見交換が主な目的である. 今回は「献血血液の有効使用と緊急輸血の対応」についてアンケート調査を行ったので結果を報告する. 【方法】2002年の会議に先立ち, 前回調査で輸血使用量の上位50施設に対しアンケートを行った. 【結果, 考察】調査した50施設の病院輸血スコアは18以上の大規模が6%, 8未満の小規模が72%であった. 専門の輸血部や管理室が設置されているのは12%, 50%に輸血療法委員会またはそれに代わる委員会が設置されていた. 輸血実施手順マニュアルは24%で, 緊急輸血マニュアルは44%で未整備であった. 事故が比較的多い緊急時の対応についても明確化が必要であり早急な作成が望まれる. また検査に関しては, 血液型判定と交差適合試験が全施設で実施可能だが, 不規則抗体の同定が可能な施設は日常時間内で30%, 夜間休日は6%と少ないことがわかった. このような体制で不規則抗体陽性患者に輸血が必要になれば日赤血液センターに頼る部分が大きいのは必然である. 各施設の輸血検査の自立を図ることは重要であるが, 輸血に関して中小規模の医療機関が9割以上を占めている現状では, 検査の充実が困難な面は多分にあると思われ, 今後の課題である. |
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ISSN: | 0546-1448 |