8.宮城県内の医療機関から報告があった非溶血性副作用のHLA・HPA抗体調査について(過去3年間のデータより)

医療機関から報告を受けた非溶血性副作用報告数は, 全国的に年々増加傾向を示している. 宮城県内においても同様であり, 平成12年度24件, 平成13年度26件, 平成14年度36件と増加の傾向が見られた. 今回, 宮城県内における過去3年間の非溶血性副作用調査におけるHLA, HPA関連検査状況についてまとめたので報告する. 【対象】平成12年4月1日から平成15年3月31日までに宮城センターで報告を受けた例とした. HLA抗体, HPA抗体検査は, 輸血前, 後の患者血液及び輸血用血液製剤を対象に行った. 【結果, まとめ】上記期間内に医療機関から86件の非溶血性副作用報告を受けた. 患者血...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 49; no. 6; p. 774
Main Authors 鈴木弘美, 熊谷由紀, 宮内洋子, 佐藤一弘, 高橋美代子, 浦野慎一, 瀬尾悦子, 渡辺裕之, 舩山完一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2003
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ISSN0546-1448

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Summary:医療機関から報告を受けた非溶血性副作用報告数は, 全国的に年々増加傾向を示している. 宮城県内においても同様であり, 平成12年度24件, 平成13年度26件, 平成14年度36件と増加の傾向が見られた. 今回, 宮城県内における過去3年間の非溶血性副作用調査におけるHLA, HPA関連検査状況についてまとめたので報告する. 【対象】平成12年4月1日から平成15年3月31日までに宮城センターで報告を受けた例とした. HLA抗体, HPA抗体検査は, 輸血前, 後の患者血液及び輸血用血液製剤を対象に行った. 【結果, まとめ】上記期間内に医療機関から86件の非溶血性副作用報告を受けた. 患者血清中よりHLA抗体が検出された例は12件(14.0%)であった. 特異性が確認されたものが4件, ブロードに反応したため特異性が確認できなかったものが8件であった. HPA抗体が検出された事例は1件(1.2%)であった. また, 輸血血液製剤よりHLA抗体が検出された事例は1件であった. 輸血副作用の原因を特定する事が困難な例が多く, より高感度な検査法を検討し原因の究明に努めたい.
ISSN:0546-1448