11.妊婦の血小板抗体産生と新生児血小板減少症:大規模予視的研究

【はじめに】母児間血小板型不適合妊娠により同種免疫性新生児血小板減少症(NAIT)を発症することが知られている. 1990年~2002年12月までに約3万人の妊婦より得た抗HPA抗体データから抗体特異性, 陽性率, 妊娠回数などについて検討を行なった. 【方法】混合受身凝集法(MPHA)により検査を行ない, 陽性者には抗体価を測定した. 児の出生時(臍帯血)と生後3日目の血小板数を測定した. 血小板型タイピングはPCR-SSP法で行った. 【結果と考察】陽性率は0. 7%(225*/29, 755*6例に輸血歴有り), 内訳は-5b:171例, -4b:48例, -5a:3例, Naka:2例...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 49; no. 4; p. 590
Main Authors 三浦里織, 馬場千華子, 山口富子, 安斎美知子, 遠山ゆり子, 大戸斉, 佐藤章, 井上進, 森田庄治, 榎本隆行, 半戸啓一, 石島あや子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2003
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ISSN0546-1448

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Summary:【はじめに】母児間血小板型不適合妊娠により同種免疫性新生児血小板減少症(NAIT)を発症することが知られている. 1990年~2002年12月までに約3万人の妊婦より得た抗HPA抗体データから抗体特異性, 陽性率, 妊娠回数などについて検討を行なった. 【方法】混合受身凝集法(MPHA)により検査を行ない, 陽性者には抗体価を測定した. 児の出生時(臍帯血)と生後3日目の血小板数を測定した. 血小板型タイピングはPCR-SSP法で行った. 【結果と考察】陽性率は0. 7%(225*/29, 755*6例に輸血歴有り), 内訳は-5b:171例, -4b:48例, -5a:3例, Naka:2例, -4b+-5b:1例だった. 妊娠回数別の陽性率は, 初回O. 2%(20/9, 851), 2回0. 9%(84/9, 712), 3回以上13%(113/8, 816)で, 妊娠回数が増すごとに有意に増加した. 児の血小板数が10. 0×104/μL未満に減少したのは-4b:18. 5%(5/27), -5b:4. 4%(3/68), 計8例(抗体保有者の3. 5%)でうち-4bの2例は点状出血を合併した.
ISSN:0546-1448