自動輸血検査システムAutoVue導入による輸血検査24時間体制の現状と問題点

近年, 輸血に伴う医療事故が社会的関心を集めている中で, 輸血過誤防止体制の強化が求められている. ABO型不適合輸血事故に関する調査では事故の半数以上が業務時間外に発生している事も明らかになっており1), 臨床検査技師による輸血検査の24時間体制の確立が叫ばれている. 当院では2000年12月より全自動輸血検査システムAutoVue(AV, Ortho-Clinical-Diagnostics)を導入し, 輸血検査の24時間体制を確立した. AVの使用経験から得られた当直業務における輸血検査の現状と問題点について報告する. 対象及び方法 当院において臨床検査技師による輸血検査の24時間体制を...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 49; no. 3; pp. 455 - 460
Main Authors 古谷裕美, 三島清司, 柴田宏, 石倉浩人, 益田順一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2003
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Summary:近年, 輸血に伴う医療事故が社会的関心を集めている中で, 輸血過誤防止体制の強化が求められている. ABO型不適合輸血事故に関する調査では事故の半数以上が業務時間外に発生している事も明らかになっており1), 臨床検査技師による輸血検査の24時間体制の確立が叫ばれている. 当院では2000年12月より全自動輸血検査システムAutoVue(AV, Ortho-Clinical-Diagnostics)を導入し, 輸血検査の24時間体制を確立した. AVの使用経験から得られた当直業務における輸血検査の現状と問題点について報告する. 対象及び方法 当院において臨床検査技師による輸血検査の24時間体制を開始した2000年12月18日から2001年10月31日までの問に当直技師が実施した輸血業務401件を対象とした. 調査項目は, この期間における輸血業務の内訳, 輸血検査の実施と血液製剤使用状況, 赤血球輸血を必要とした理由, 輸血検査に要する時間, AVに関連して発生したトラブルである.
ISSN:0546-1448