P136-O血漿分画製剤用同意書の導入の意義と問題点

赤血球, 血小板, 新鮮凍結血漿の輸血(以下輸血と略す)に際しては「説明と同意」およびその記録としての同意書の取得は必須であるが, 血漿分画製剤(牛成分由来生物製剤を含む)の使用時には規定や凡例はなく, 主治医に任されているのが現状である. しかし, 血漿分画製剤の適正使用と正確な使用記録および統一した同意書の取得は, 未知の病原体による血液製剤の副作用対策として必要であると考えられる. 我々の施設では血漿分画製剤の説明文と同意書を作成し, 導入したので報告する. まず, 当院で使用されている血漿分画製剤の種類と使用状況を薬剤部の協力により把握した. その結果, ガンマグロブリン製剤は小児科で...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 49; no. 2; p. 302
Main Authors 島田崇史, 大久保光夫, 阿南昌弘, 大木浩子, 今井厚子, 渡辺敬依子, 久保居由紀子, 手塚芳江, 柳沢雅美, 平田蘭子, 前田平生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2003
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ISSN0546-1448

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Summary:赤血球, 血小板, 新鮮凍結血漿の輸血(以下輸血と略す)に際しては「説明と同意」およびその記録としての同意書の取得は必須であるが, 血漿分画製剤(牛成分由来生物製剤を含む)の使用時には規定や凡例はなく, 主治医に任されているのが現状である. しかし, 血漿分画製剤の適正使用と正確な使用記録および統一した同意書の取得は, 未知の病原体による血液製剤の副作用対策として必要であると考えられる. 我々の施設では血漿分画製剤の説明文と同意書を作成し, 導入したので報告する. まず, 当院で使用されている血漿分画製剤の種類と使用状況を薬剤部の協力により把握した. その結果, ガンマグロブリン製剤は小児科で, アルブミン製剤は主に血液内科以. 外の内科で使用され, 組織接着剤は(外科, 産婦人科より多くの量が)脳外科で髄液漏に使用されていた. このことから, 血漿分画製剤は主に輸血を行わない症例に投与されている事が明らかとなった. 一方では輸血と同時に使用する場合もあり, 独立した同意書を導入すると煩雑さが増す事になると考えられた. そこで, 従来の「輸血に関する説明と同意書」の説明文(当日供覧)に血漿分画製剤に関する説明文を加え, 同意書面は従来の輸血同意書を最小限改変するにとどめ, 『輸血(赤血球, 血小板, 新鮮凍結血漿)』と『血漿分画製剤使用』の「一方あるいは両方」の説明を行った事実を医師が×で記録できるようにした. また, 説明を受けた患者様側も「一方あるいは両方」の説明を受けた事を表示する欄を設けた(当日供覧). 念のため, 同意書には説明文の要旨も記載した. 本学会発表では導入後4ヵ月間の同意書取得状況と記入上の不備等についても報告する.
ISSN:0546-1448