P135-O輸血検査の自動化とコスト
【目的】輸血検査への自動法の導入が遅れていることが, 前回総会の輸血過誤防止アンケート調査でわかった. この原因は, コストがかかることが第1と考えられた. 当院では, オリンパスMTSシステムを用いて血液型および不規則抗体スクリーニング同定検査をゲルカラム法で実施し, 検査結果をオンラインで輸血管理システムに取り込む方式で, 検査コストは従来法とほぼ同程度で行うように工夫したので報告する. 【輸血検査の自動化の状況】日常検査の自動化率は, 大学病院が血液型検査, 不規則抗体検査共に56%と一般病院の血液型検査28%, 不規則抗体検査24%に比べ高かった. 交差適合試験は大学病院一般病院で差は...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 49; no. 2; p. 302 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
2003
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | 【目的】輸血検査への自動法の導入が遅れていることが, 前回総会の輸血過誤防止アンケート調査でわかった. この原因は, コストがかかることが第1と考えられた. 当院では, オリンパスMTSシステムを用いて血液型および不規則抗体スクリーニング同定検査をゲルカラム法で実施し, 検査結果をオンラインで輸血管理システムに取り込む方式で, 検査コストは従来法とほぼ同程度で行うように工夫したので報告する. 【輸血検査の自動化の状況】日常検査の自動化率は, 大学病院が血液型検査, 不規則抗体検査共に56%と一般病院の血液型検査28%, 不規則抗体検査24%に比べ高かった. 交差適合試験は大学病院一般病院で差はなく20~25%程度であった. 当直時間帯の自動化率は, 血液型検査で大学病院38%, 一般病院14%と大学病院が一般病院より高かったが, その割合は日常検査の半分程度であった. 【平成13年度検査件数】ABO, Rho(D)血液型:実検査数12285件, 保険請求件数10794件(保険収入604万円), 不規則抗体スクリーニング:実検査数6799件, 保険請求件数2832件(保険収入651万円)【検査年間経費】試験管法(99年3月迄)は試薬代635万円, 人件費1000万円(1名分), 試験管法+一部ゲルカラム法(99. 4~02. 11)は試薬代958万, 人件費800万円(0'8名分), 不要な検査は中止して, 最低限の検査のみすべてゲルカラム法で実施した場合(02`12~)は, 試薬代671万, 人件費600万円(0. 6名分)であった. また自動機器の原価償却, 修理費用を年間約400万で, 経費を試算すると試験管法は1635万円, 試験管法+一部自動法は2185万円, すべて自動法は1671万円であった. 【まとめ】輸血検査への自動化法の導入率は, 一般病院より大学病院で高く, 当直時間帯より日常検査への導入が進んでいる状況であった. 検査経費は, 試験管法, 試験管法+自動法, すべて自動法いずれも保険収入年間1255万円を上回った. 今後, さらに検査が廉価に, 誤りなく結果が報告できるように工夫をするつもりである. |
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ISSN: | 0546-1448 |