P-124 香川県における輸血の実際に関するアンケート調査の報告

(目的)検査技術の向上, 輸血療法の適正化及び輸血の安全性を高め, 技師会活動の指標とするために輸血の実際に関するアンケート調査を実施したので報告する. (方法)A群, 臨床検査技師が勤務する病院65施設 B群, それ以外の病院56施設 C群, 検査センター4施設を対象に平成13年11月に実施した. 主な内容は, 輸血業務体制, 血液製剤の使用状況, 検査方法, 精度管理, システム化などである. (結果)回答率はA群68%B群21%C群25%で施設環境差が明らかだった. A群の結果は, 1. 輸血業務体制 a. 時間外緊急時は64%が当直, 宅直, 29%が呼び出し, 7%で対応無しだった....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 48; no. 2; p. 217
Main Authors 高杉淑子, 福家洋子, 内田立身
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2002
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:(目的)検査技術の向上, 輸血療法の適正化及び輸血の安全性を高め, 技師会活動の指標とするために輸血の実際に関するアンケート調査を実施したので報告する. (方法)A群, 臨床検査技師が勤務する病院65施設 B群, それ以外の病院56施設 C群, 検査センター4施設を対象に平成13年11月に実施した. 主な内容は, 輸血業務体制, 血液製剤の使用状況, 検査方法, 精度管理, システム化などである. (結果)回答率はA群68%B群21%C群25%で施設環境差が明らかだった. A群の結果は, 1. 輸血業務体制 a. 時間外緊急時は64%が当直, 宅直, 29%が呼び出し, 7%で対応無しだった. b. 輸血部門の一元管理は40%で実施, 検討中が19%だった. c. 輸血療法委員会は19%で設置されていた. d. 認定輸血検査技師は12%におり, 養成中は10%だった. e. 自己血に関与しているのは21%だった. f. 廃棄率は赤血球製剤で0~60%, 血漿製剤で0~50%だった. 2. 検査方法 全自動輸血検査システムが3施設で導入(時間外緊急時は稼働せず)されており, 7施設は今後検討に入る. 3. 精度管理 12%で試薬管理, 14%で検査機器, 31%で検査室の温度管理を実施していた. 4. システム化 24%でコンピュータシステムが普及しており, 導入を検討中は12%だった. B群は病床数が37~60で, 33%でABO式血液型(オモテ試験のみ), 17%でRh式血液型を実施していた. 交差適合試験は2施設(試験管法での生食法)を除いてスライド法か無回答だった. C群は輸血関連検査を受託していなかった. (考察)輸血業務体制は一元化に移行しているが, 輸血療法委員会, 認定輸血検査技師の認識は低く, 精度管理体制にも問題があると考える. このように, 輸血療法に関しては施設間差が大きく, 輸血療法の適正化を鑑み, 輸血の安全性を高めるためにコントロールサーベイの実施と併せて今後の調査を実施していきたい.
ISSN:0546-1448