P-031 当科における血縁および非血縁ドナーからの骨髄採取の経験

(緒言)当科では2001年10月までに同種骨髄採取を32例行っている. これらの採取結果および副作用などについて検討を行った. (対象)当科にて骨髄採取を施行した骨髄バンクドナー23例および当科にて同種骨髄移植を施行した造血器疾患患者の血縁者9例の合計32例を対象とした. (結果)ドナーの年齢は非血縁者間で平均34.8歳(21~47歳), 血縁者間では平均28.8歳(11~56歳)であった. 準備自己血量は非血縁者間で平均546ml(0~800ml), 血縁者間では平均800ml(600~1200ml)であった. 骨髄採取量は, 非血縁者間で平均954ml;14.9ml/kg, 血縁者間で平均...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 48; no. 2; p. 170
Main Authors 今村信, 桑田敦, 木下圭一, 森永浩次, 山本秀二, 池ヶ谷諭史, 高木和貴, 酒巻一平, 周藤英将, 山内高弘, 河合泰一, 吉田明, 浦崎芳正, 津谷寛, 上田孝典, 高澤ゆみえ, 小林洋子, 岩崎博道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2002
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ISSN0546-1448

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Summary:(緒言)当科では2001年10月までに同種骨髄採取を32例行っている. これらの採取結果および副作用などについて検討を行った. (対象)当科にて骨髄採取を施行した骨髄バンクドナー23例および当科にて同種骨髄移植を施行した造血器疾患患者の血縁者9例の合計32例を対象とした. (結果)ドナーの年齢は非血縁者間で平均34.8歳(21~47歳), 血縁者間では平均28.8歳(11~56歳)であった. 準備自己血量は非血縁者間で平均546ml(0~800ml), 血縁者間では平均800ml(600~1200ml)であった. 骨髄採取量は, 非血縁者間で平均954ml;14.9ml/kg, 血縁者間で平均1044ml;18.9ml/kgで, 血縁者で多い傾向がみられたが, 患者体重1kgあたり2x108/kg以上の細胞数を確保できた症例は, 非血縁者間で20例(87.0%), 血縁者間で7例(77.8%)であった. 採取に要した時間および採取速度は, 非血縁者間で平均73.9分;447.6mL/30min, 血縁者間で平均102.2分;366.7ml/30minで, 採取速度が500ml/30minを超えた症例は, 4例(17.4%)および2例(22.2%)に認められた. (考察)血縁者および非血縁者ともにほぼ安全に骨髄採取が施行できた. 血縁者では骨髄採取量が多い傾向が認められ, 血縁者ドナーについても今後さらに骨髄バンクの採取基準を遵守して行う必要があると考えられた.
ISSN:0546-1448