21世紀の血液事業
将来, 輸血用血液の不足が予想されている. 血液センターでは少子化高齢化を主な原因とする献血可能人口の減少を深刻な問題としてとらえ, その対策について考察した. 秋田県の人□推移は, 生産年齢人口の減少が顕著であり, 老齢人口の比率も25年後には33.7%まで上昇することが予想された. 献血者は30代以下がその中心であり, 輸血の使用患者の51.4%が71歳以上であった. 平成11年は年間63,000人の献血者で確保することができたが, 10年後には必要献血数69,000人に対し, 1万人減の59,100人と見積もられた. 年齢別献血者数より, 加齢による献血離れが傾向として認められた. 確保...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 4; p. 456 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
2000
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | 将来, 輸血用血液の不足が予想されている. 血液センターでは少子化高齢化を主な原因とする献血可能人口の減少を深刻な問題としてとらえ, その対策について考察した. 秋田県の人□推移は, 生産年齢人口の減少が顕著であり, 老齢人口の比率も25年後には33.7%まで上昇することが予想された. 献血者は30代以下がその中心であり, 輸血の使用患者の51.4%が71歳以上であった. 平成11年は年間63,000人の献血者で確保することができたが, 10年後には必要献血数69,000人に対し, 1万人減の59,100人と見積もられた. 年齢別献血者数より, 加齢による献血離れが傾向として認められた. 確保対策として, 年齢や体重, 及び比重が合格ながら, 200mL献血を実施する400mL献血予備軍の動員が考えられた. 原料血漿確保の面では抜本的な成分献血確保対策が必要であり, 加えて, 臨床側の凍結血漿使用抑制による, サポートが重要な要素であることを指摘しまとめとする. |
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ISSN: | 0546-1448 |