ヒト由来モノクローナル抗P_1 ,P,Pk抗体の作製

P関連抗原としては, P_1 ,P,P^k ,LKE抗原が知られている. 国際輸血学会ではP_1抗原をP血液型, P^k ,P,LKE抗原をグロポ血液型に分類している. 我々は, 食塩液法で強く反応する抗P_1, 抗P, 抗P^k 抗体産生株を樹立し, 血清学的検討を加えた. <方法および結果>抗P_1抗体を産生しているP_1-型, および抗P, 抗P^k 抗体を産生しているp型からB細胞を分離し, EBウイルスでトランスフォームを行った. 細胞は96ウェルカルチャープレートで培養し, それぞれ抗体を産生しているウェルを選択した. 選択したトランスフォーム細胞とミエローマ細胞(JMS-3)とを...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 2; p. 176
Main Authors 篠崎久美子, 豊田智津, 鈴木由美, 宮村友造, 内川誠, 中島一格, 十字猛夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2000
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ISSN0546-1448

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Summary:P関連抗原としては, P_1 ,P,P^k ,LKE抗原が知られている. 国際輸血学会ではP_1抗原をP血液型, P^k ,P,LKE抗原をグロポ血液型に分類している. 我々は, 食塩液法で強く反応する抗P_1, 抗P, 抗P^k 抗体産生株を樹立し, 血清学的検討を加えた. <方法および結果>抗P_1抗体を産生しているP_1-型, および抗P, 抗P^k 抗体を産生しているp型からB細胞を分離し, EBウイルスでトランスフォームを行った. 細胞は96ウェルカルチャープレートで培養し, それぞれ抗体を産生しているウェルを選択した. 選択したトランスフォーム細胞とミエローマ細胞(JMS-3)とをポリエチレングリコールで細胞融合した. クローニングを繰り返し, 以下の抗体産生株を得た. 抗P_1抗体(HIRO-59), 抗P抗体(HIRO-34), 抗Pk抗体(HIRO-36)の株を樹立した. いずれの抗体も食塩液法で強い凝集を認め, 免疫グロブリンクラスはIgMであった. 食塩液法(室温:19~25℃)による培養上清の抗体価は抗P_1 抗体:128倍, 抗P抗体:512倍, 抗P^k 抗体:128倍であった. 抗P_1抗体による410例についての抗原検査の結果は, 平行して調べたポリクローナル抗P1血清の結果と一致した. 抗P抗体はP+120例と陽性, P-P^k +2例, P-P^k -6例と陰性であった. 抗P^k 抗体はP^k +2例と陽性, P^k -120例と陰性であった. <考察> 抗P_1 , 抗P, 抗P^k 抗体の特異性を示す抗体産生株を得た. これらの抗体はP_1 抗原のスクリーニング, p型, P^k 型の確認試薬として有用である.
ISSN:0546-1448