自己血貯血におけるウイルス管理

「目的」自己血輸血使用手術後のC型肝炎発症例を経験したので, 自己血貯血のウィルス管理について考察する. 「症例」16才女性. 脊柱側弯症手術の目的で入院したが, 既往に著患なく, 輸血歴はなかった. 入院時血液検査は正常で, HCV抗体陰性であった. 手術は二期的に行われ, 術前採血を外来で2回, 入院後に2回行い, 1250mlの貯血にて初回手術を行った. その後, さらに3回の採血で1200mlを貯血し, 初回手街後28日目に第2回の手術を行った. 両手術ともに術中回収式自己血輸血を併用したが, 同種血は輸血しなかった. しかし, その後に肝障害が出現し, 急性C型肝炎と診断され, IF...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 2; p. 168
Main Authors 浅井隆善, 信木真一郎, 小林美絵子, 長谷川浩子, 山本浩子, 伊藤道博, 徳永誠, 南昌平, 田所憲治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2000
Online AccessGet full text
ISSN0546-1448

Cover

More Information
Summary:「目的」自己血輸血使用手術後のC型肝炎発症例を経験したので, 自己血貯血のウィルス管理について考察する. 「症例」16才女性. 脊柱側弯症手術の目的で入院したが, 既往に著患なく, 輸血歴はなかった. 入院時血液検査は正常で, HCV抗体陰性であった. 手術は二期的に行われ, 術前採血を外来で2回, 入院後に2回行い, 1250mlの貯血にて初回手術を行った. その後, さらに3回の採血で1200mlを貯血し, 初回手街後28日目に第2回の手術を行った. 両手術ともに術中回収式自己血輸血を併用したが, 同種血は輸血しなかった. しかし, その後に肝障害が出現し, 急性C型肝炎と診断され, IFN-βの600万単位6週間投与にて改善した(自己血輸血12,140-143,1999).
ISSN:0546-1448