当院における副作用発生状況

「目的」当院における輸血副作用の発生状況とその内容を把握し, 副作用の発生予防と重症化を阻止する. 対象と方法:平成10年11月から11年10月の1年間に, 当院で発生した輸血副作用を調査した. 方法は輸血翌日に輸血部に返却される, 輸血会計伝票に輸血後24時間内の副作用の有無を, 受け持ち看護婦に記載してもらい, 「あり」の症例について主治医に詳細な副作用報告を依頼して集計した. 「結果」この期間に1123回の輸血が行われ, 溶血性副作用が5件, 非溶血性副作用が28件あった. 製剤ではMAP22件(154), FFP6件(4名), 人全血3件(3名), 濃厚血小板2件(2名)であった. 症...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 2; p. 154
Main Authors 茂木さおり, 岩下洋一, 中島智子, 澤文博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2000
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Summary:「目的」当院における輸血副作用の発生状況とその内容を把握し, 副作用の発生予防と重症化を阻止する. 対象と方法:平成10年11月から11年10月の1年間に, 当院で発生した輸血副作用を調査した. 方法は輸血翌日に輸血部に返却される, 輸血会計伝票に輸血後24時間内の副作用の有無を, 受け持ち看護婦に記載してもらい, 「あり」の症例について主治医に詳細な副作用報告を依頼して集計した. 「結果」この期間に1123回の輸血が行われ, 溶血性副作用が5件, 非溶血性副作用が28件あった. 製剤ではMAP22件(154), FFP6件(4名), 人全血3件(3名), 濃厚血小板2件(2名)であった. 症状は発熱20件(15名), 発熱悪寒3件(2名), 血尿5件(1名), 発疹3件(3名)血圧上昇1件, 嘔吐1件であった. 原因は輸注速度が早すぎた1件, 50%ブドウ糖液と混注した5件(1名), 補体に対する抗体3件(3名), HLA抗体5件(2名)不明19件(15名)であった. 何れも, 症状は一過性でまもなく改善していた.
ISSN:0546-1448