不適合輸血の実態と対策およびその評価

「目的」久留米大学病院における不適合輸血の実態調査とその対策, およびその対策の評価について報告する. 「対象」久留米大学病院における1995.8月~1999.7月までの4年間の輸血症例. 「結果」ABO不適合輸血は10例, 不規則抗体保有者への不適合輸血は3例発生しており, 発生頻度はおおよそ5000回の輸血に1例であった. 対策としては, 事故発生時対策として「不適合輸血の治症マニュアル」を1997.8月に作成し院内に配布した. さらに「血液型シールと不規則抗体シール」による“輸血時の確認方法”を1998.6月より施行している. 不適合輸血の治療マニュアルに則した治療は, AB0不適合輸血...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 4; p. 590
Main Authors 東谷孝徳, 川野洋之, 小川美津子, 相浦佳代子, 佐川公矯
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 1999
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ISSN0546-1448

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Summary:「目的」久留米大学病院における不適合輸血の実態調査とその対策, およびその対策の評価について報告する. 「対象」久留米大学病院における1995.8月~1999.7月までの4年間の輸血症例. 「結果」ABO不適合輸血は10例, 不規則抗体保有者への不適合輸血は3例発生しており, 発生頻度はおおよそ5000回の輸血に1例であった. 対策としては, 事故発生時対策として「不適合輸血の治症マニュアル」を1997.8月に作成し院内に配布した. さらに「血液型シールと不規則抗体シール」による“輸血時の確認方法”を1998.6月より施行している. 不適合輸血の治療マニュアルに則した治療は, AB0不適合輸血7例のうち6例に実施され輸血副作用は観察されていない. 1例は手術中であったため, 術場で対処された. また, 血液型シールと不規則抗体シールによる輸血時の確認方法については, もし正しく運用されておれば効果が期待できた症例が3例, 残り4例については無効であった.
ISSN:0546-1448