輪血部アフェレシス業務の検討
【目的】当輸血部では1981年から遠心式成分採血装置による家族供血者の血小板・顆粒球採取および治療的アフェレシスを開始した. その後, 膜型血漿交換や吸着式LDLアフェレシスも実施している. 今回, 過去17年間のアフェレシス実施状況を省みて, 今後の方向性を検討した. 【方法】対象は家族供血者311名, 学内ボランティア供血者184名, 患者472名の合計967名である. 使用機種は遠心式がCOBE Spectra, Hemonetics Mnlti, 膜型がクラレKM-8800, 旭プラソートIQ, 吸着式は鐘化MA-01である. 抗凝固剤は遠心式でACD-A液を, 膜型及び吸着式ではヘパ...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 2; p. 301 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
1999
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Summary: | 【目的】当輸血部では1981年から遠心式成分採血装置による家族供血者の血小板・顆粒球採取および治療的アフェレシスを開始した. その後, 膜型血漿交換や吸着式LDLアフェレシスも実施している. 今回, 過去17年間のアフェレシス実施状況を省みて, 今後の方向性を検討した. 【方法】対象は家族供血者311名, 学内ボランティア供血者184名, 患者472名の合計967名である. 使用機種は遠心式がCOBE Spectra, Hemonetics Mnlti, 膜型がクラレKM-8800, 旭プラソートIQ, 吸着式は鐘化MA-01である. 抗凝固剤は遠心式でACD-A液を, 膜型及び吸着式ではヘパリンとフサンを使用した. 治療的血漿交換の置換液は新鮮凍結血漿(FFP)とアルブミン製剤(Alb)を使用した. 【結果】アフェレシス回数は供血者459回, 患者4191回で, 疾患別では高脂血症183名2366回で最も多く, 以下自己免疫疾患などの順であった. 方式は遠心法32%膜型11%, 吸着式57%で, 抗凝固剤はACDA液32%ヘパリン63%, フサン5%, 置換液はAlb17%, FFP13%で, 70%では使用されなかった. 【結論】17年間に967例, 約4,200回のアフェレシスを実施した. 対象は供血者と患者が半数ずつであったが, 回数ではLDL吸着が56%で最も多かった. 置換液はAlbとFFPが30%で使用されたが, 吸着式やサイタフェレシスの増加により70%は置換液が不要となり, 血漿製剤の適正使用に有用であった. |
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ISSN: | 0546-1448 |