紫外線を用いたウイルスの感染抑制
目的:最近, 期限切れ赤血球からスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)を抽出し, 製剤の原料として利用しようとする試みがある. 生物製剤の場合,病原体の感染を防止しなければならない. 現在, 数種のタンパク質製剤は熱処理などによりウイルス不活化が行われているが, これらの方法はエンベロープを持たないウイルス(ノンエンベロープウイルス)にはあまり有効ではない. 本研究ではノンエンベロープウイルスの不活化に有効と考えられている紫外線照射によるSOD溶液中ウイルス不活化を試みた. 方法:ウイルスを添加したSOD溶液に紫外線(280nm以下)を照射し, 感染価を評価した. 結果, 考察:紫外線(200...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 44; no. 4; p. 582 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
1998
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Summary: | 目的:最近, 期限切れ赤血球からスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)を抽出し, 製剤の原料として利用しようとする試みがある. 生物製剤の場合,病原体の感染を防止しなければならない. 現在, 数種のタンパク質製剤は熱処理などによりウイルス不活化が行われているが, これらの方法はエンベロープを持たないウイルス(ノンエンベロープウイルス)にはあまり有効ではない. 本研究ではノンエンベロープウイルスの不活化に有効と考えられている紫外線照射によるSOD溶液中ウイルス不活化を試みた. 方法:ウイルスを添加したSOD溶液に紫外線(280nm以下)を照射し, 感染価を評価した. 結果, 考察:紫外線(200J/平方メートル)照射により, ノンエンベロープウイルスであるパルボウイルスは4.6log_10 , M13ファージは7.0log_10 , エンベロープウイルスである水泡性口内炎ウイルスは6.0log_10 不活化されたが, SOD活性の低下はみられなかった. また電気泳動のバンドにも変化はみられなかった. 以上の結果はエンベロープの有無にかかわらず, SOD溶液のウイルス不活化には紫外線照射が有効であることを示している. |
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ISSN: | 0546-1448 |