東北地方におけるHLAの家系調査

[目的]東北地方6県で行ったHLAに関する大規模な家系調査について, 遺伝学的な立場(Formal Genetics)から解析した. [方法]東北地方6県在住の154家系(759人の家族員)より血液試料を得てHLA-A, B, C, DR, DQ型を判定し, 各家族員における遺伝子型とハプロタイプを決定した. この結果に基づいて, 以下のような解析を行った. (1)両親集団における各対立遺伝子およびハプロタイプの頻度を直接カウントにより求めた. (2)HLA-A座とC座, B座とDR座の間の連鎖分析を行った. (3)2座位間および3座位間の連鎖不平衡について解析した. (4)東北地方に代表的な...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 37; no. 2; p. 342
Main Authors 徳永勝士, 十字猛夫, 高橋孝喜, 内川千枝子, 赤座達也, 梅澤喜美雄, 遠藤信義, 鎌田博子, 土田秀明, 藤野訓男, 渡辺岩雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 1991
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Summary:[目的]東北地方6県で行ったHLAに関する大規模な家系調査について, 遺伝学的な立場(Formal Genetics)から解析した. [方法]東北地方6県在住の154家系(759人の家族員)より血液試料を得てHLA-A, B, C, DR, DQ型を判定し, 各家族員における遺伝子型とハプロタイプを決定した. この結果に基づいて, 以下のような解析を行った. (1)両親集団における各対立遺伝子およびハプロタイプの頻度を直接カウントにより求めた. (2)HLA-A座とC座, B座とDR座の間の連鎖分析を行った. (3)2座位間および3座位間の連鎖不平衡について解析した. (4)東北地方に代表的な多座位ハプロタイプを抽出した. [結果]おもな結果は以下のようであった. 組換え値の推定:A座とB座の間では, 解析可能であった611個の染色体減数分裂のうち, 1個だけ組換えが見いだされた(0.16%). B座とDR座の間では703個の染色体減数分裂のなかで, 7個の組換えが見いだされた(1.0%). 連鎖不平衡:東北以外の地域に比較し, 多くみられた2座位間連鎖不平衡の組合せは, A2-Bw48(1.6%), A2-Bw61(4.7%), A24-Bw39(1.0%), B17-DRw13(0.8%), Bw48-DR2(1.1%), Bw61-DRw12(1.8%), Bw61-DR2(2.3%)などであった. 多座位ハプロタイプ:頻度の高かったものから順に示すと, A24-Bw52-DR2(8.5%), A2-Cw11-Bw46-DRw8.1(3.3%), A24-Cw7-B7-DR1(3.1%), Aw33-B44-DRw13(3.1%), A24-Cw1-Bw54-DR4.1(2.1%), A11-Cw4-Bw62-DR4.2(1.8%), A2-Bw61-DR9(1.0%), A24-Bw61-DR9(1.0%), A26-Cw9-Bw62-DR9(1.0%)であった.
ISSN:0546-1448