抗HIV抗体検出用ゼラチン凝集法の検討

後天性免疫不全症候群(AIDS)は, その疾患がしられるようになった当初1)は, 同性愛者1)~3)や麻薬常習者4)を中心に発生した. しかしAIDSの原因ウイルスが発見され5)~7), HIVの保有者が同時に抗HIV抗体を保有していることがわかって以来8), HIVキャリアー(抗HIV抗体陽性者)のスクリーニングが始まった. 以来, HIVの感染は決して, 同性愛者や麻薬常習者に限らず, 異性交渉による感染9)~11), 母子感染12), 凝固因子製剤13)を含む血液製剤14)を介しての感染例が数多く報告された. 日本に於いても, 輸入凝固因子製剤を使用した血友病患者の中で抗HIV抗体保有者...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 34; no. 4; pp. 400 - 405
Main Authors 深田謙二, 後藤信代, 前田義章, 吉成意之, 今村由美子, 坂本久浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 1988
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Summary:後天性免疫不全症候群(AIDS)は, その疾患がしられるようになった当初1)は, 同性愛者1)~3)や麻薬常習者4)を中心に発生した. しかしAIDSの原因ウイルスが発見され5)~7), HIVの保有者が同時に抗HIV抗体を保有していることがわかって以来8), HIVキャリアー(抗HIV抗体陽性者)のスクリーニングが始まった. 以来, HIVの感染は決して, 同性愛者や麻薬常習者に限らず, 異性交渉による感染9)~11), 母子感染12), 凝固因子製剤13)を含む血液製剤14)を介しての感染例が数多く報告された. 日本に於いても, 輸入凝固因子製剤を使用した血友病患者の中で抗HIV抗体保有者が高頻度(20~60%)で見だされ, また少数ではある海外旅行者や売春婦の中に抗HIV抗体保有者がいることがわかった.
ISSN:0546-1448