Mierolymphocytotoxicity test(LCT)による適合血液成分製剤の使用により臨床症状の著明な改善をみた急性白血病の一例
今回私たちはmicrolymphocytotoxicity test(LCT)により抗B5抗体の存在が疑われ, かつLCTによる交叉で適合させた血液成分製剤の使用により臨床症状の著明な改善をみた急性白血病の一例を経験したので報告する. 患者は43歳の女性で3回の妊娠分娩歴がある. 昭和54年10月頃より貧血, 昭和55年1月汎血球減少を認められ, 非定型的再生不良性貧血として経過観察をうけていた. 昭和56年5月当科へ転院するまで全血および赤血球濃厚液として約40単位程の輸血をうけ, 発熱や蕁麻疹を認めた. 当科での諸検査の結果, 急性白血病(骨髄性)と考え, DCMP療法を行なった. 上述の...
Saved in:
Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 29; no. 6; p. 713 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
1984
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0546-1448 |
Cover
Summary: | 今回私たちはmicrolymphocytotoxicity test(LCT)により抗B5抗体の存在が疑われ, かつLCTによる交叉で適合させた血液成分製剤の使用により臨床症状の著明な改善をみた急性白血病の一例を経験したので報告する. 患者は43歳の女性で3回の妊娠分娩歴がある. 昭和54年10月頃より貧血, 昭和55年1月汎血球減少を認められ, 非定型的再生不良性貧血として経過観察をうけていた. 昭和56年5月当科へ転院するまで全血および赤血球濃厚液として約40単位程の輸血をうけ, 発熱や蕁麻疹を認めた. 当科での諸検査の結果, 急性白血病(骨髄性)と考え, DCMP療法を行なった. 上述の輸血時副作用のため, 抗体検索の結果, B5抗体の存在が疑われ, これ以後LCTによる交叉で適合させた成分製剤を使用して, 良好なる補充効果を示し, 寛解に到達した. LCTによる交叉適合は多大の時間と正確な手技とが要求されるが, この症例のような場合, 有益な手段と思われた. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |