抗Fy^a 抗体による溶血性輸血の1例

抗Fy^a 抗体の出現およびこれによる溶血性輸血は極めて希とされ, わが国においては, 未だその報告をみない. われわれは, この1例を経験したので報告する. 患者は33才, 血液型A型, Rh(+)の女で, 家族性大腸ポリポージスおよび結腸癌の手術を受け, 術中1,000mlの輸血, 術後7日目には, 800mlの輸血を受け, 重篤な溶血症状を呈した. 免疫血液学的検査ではFy^a (-)抗体特異性は抗Fya抗体であり, 抗体価は漸減した. また京都府赤十字血液センターでの調査で, 京都在住日本人のFy^a (-)の発生ヒソ度は, 1.4%(A型207人中3例)であることが判明した....

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 21; no. 1; p. 18
Main Authors 大内孝雄, 藤田佳宏, 水谷昭夫, 四方利和, 佐治博夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 1974
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Summary:抗Fy^a 抗体の出現およびこれによる溶血性輸血は極めて希とされ, わが国においては, 未だその報告をみない. われわれは, この1例を経験したので報告する. 患者は33才, 血液型A型, Rh(+)の女で, 家族性大腸ポリポージスおよび結腸癌の手術を受け, 術中1,000mlの輸血, 術後7日目には, 800mlの輸血を受け, 重篤な溶血症状を呈した. 免疫血液学的検査ではFy^a (-)抗体特異性は抗Fya抗体であり, 抗体価は漸減した. また京都府赤十字血液センターでの調査で, 京都在住日本人のFy^a (-)の発生ヒソ度は, 1.4%(A型207人中3例)であることが判明した.
ISSN:0546-1448