抗白血球抗体に関する研究

最近臓器移植の発達にともなって白血球抗原の重要性はにわかに高まってきた. しかしその判定に要する抗白血球抗体の入手はそれほど容易でなく, またmultispecificのものが多いなど種々の難点がある. これらを克服して, 白血球に関する研究を促進するためにはmonospecincな抗白血球抗体の入手を容易にしなければならない. そのためには, 動物免疫抗白血球抗体の生成も有力な解沢方法の一つである. にもかかわらず今日までこれを手がけたButler, Shulmanらはともに群特異の抗体の作成は不可能との結論を出しており, 動物免疫ではわずかにチンパンジーでの成功例が報じられているのみである...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 14; no. 1; pp. 150 - 151
Main Author 村上省三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 1967
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Summary:最近臓器移植の発達にともなって白血球抗原の重要性はにわかに高まってきた. しかしその判定に要する抗白血球抗体の入手はそれほど容易でなく, またmultispecificのものが多いなど種々の難点がある. これらを克服して, 白血球に関する研究を促進するためにはmonospecincな抗白血球抗体の入手を容易にしなければならない. そのためには, 動物免疫抗白血球抗体の生成も有力な解沢方法の一つである. にもかかわらず今日までこれを手がけたButler, Shulmanらはともに群特異の抗体の作成は不可能との結論を出しており, 動物免疫ではわずかにチンパンジーでの成功例が報じられているのみである. われわれも動物免疫による群特異抗白血球抗体の作成を期しウサギ, モルモットを使用して実験をつづけているが, 今日までにえた成績を報告する. ウサギ免疫によってえられた抗血清を赤血球で吸収した後, 適当量の白血球で吸収をくり返すと群特異性をもっていると思われるものがえられる.
ISSN:0546-1448