動脈内輸血に関する実験的研究
Kohlstaedt及びPageの実験的研究以来, Jones, Halden, Veal, 牧野, 峯教授の諸氏により, 動脈内輸血の優秀性が提唱され, 救急処置として臨床に使用されて来たが, 近年Winer, Maloney, Case, Hampsen等は, 静脈内輸血に対する動脈内輸血の優越性に関し批判的な意見を述べている. 従て私達は動脈内輸血の効果について, 静脈内輸血との比較を試みた. 頸動脈, 大腿動脈血流量, 動, 静脈血酸素量, 頸動脈酸素運搬量, 分時心送血量. 酸素消費量, 血圧を測定し, X線撮影(血管撮影)を行い比較した. 健康成犬を用い, ラボナール麻酔, ヘパリ...
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Published in | 血液と輸血 Vol. 4; no. 5; pp. 278 - 280 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
1958
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Summary: | Kohlstaedt及びPageの実験的研究以来, Jones, Halden, Veal, 牧野, 峯教授の諸氏により, 動脈内輸血の優秀性が提唱され, 救急処置として臨床に使用されて来たが, 近年Winer, Maloney, Case, Hampsen等は, 静脈内輸血に対する動脈内輸血の優越性に関し批判的な意見を述べている. 従て私達は動脈内輸血の効果について, 静脈内輸血との比較を試みた. 頸動脈, 大腿動脈血流量, 動, 静脈血酸素量, 頸動脈酸素運搬量, 分時心送血量. 酸素消費量, 血圧を測定し, X線撮影(血管撮影)を行い比較した. 健康成犬を用い, ラボナール麻酔, ヘパリン使用下に行い, 血流量, 心送血量, X線撮影を主とする群に分けて実験を行った. 血流量の測定は気泡流量計により, 血液ガス分折はVan Slyke-Neilの気圧法, 酸素消費量はフクダ式呼吸計を用い, 心送血量はFickの原理による直接法により算出, 循環血液量はEvansblueを用い光電比色計により計測した. |
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ISSN: | 0546-1448 |