私の鍼灸治療点の求め方 part II

「圧痛点」扁鵲は「病の応は大表にあらはる」といっている. 多くの疾病は特有の反応点を体表に現わすものである. このあたりマッケンジー原理を想わしめるものがあって愉快でもある. それが診断上とくに意義があり治療上にも重要である. 現代医学では圧痛点を治療にはあまり用いていないようで主として診断に使用している. 圧痛点等の起こってくる原因について考察してみるに, 皮膚の知覚過敏帯の発生はヘッド氏によれば, 例えば肝臓における病的刺激が交感神経を経て交通枝を通り脊髄に伝えられ, この興奮による刺激が強度なる場合には脊髄の広範囲に伝達, 波及されることとなる. 「ひびき」の近代医学的考察で笹川博士の指...

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Published in日本良導絡自律神経学会雑誌 Vol. 58; no. 1; pp. 8 - 10
Main Author 中谷義雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本良導絡自律神経学会 15.12.2012
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ISSN0913-0977

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Summary:「圧痛点」扁鵲は「病の応は大表にあらはる」といっている. 多くの疾病は特有の反応点を体表に現わすものである. このあたりマッケンジー原理を想わしめるものがあって愉快でもある. それが診断上とくに意義があり治療上にも重要である. 現代医学では圧痛点を治療にはあまり用いていないようで主として診断に使用している. 圧痛点等の起こってくる原因について考察してみるに, 皮膚の知覚過敏帯の発生はヘッド氏によれば, 例えば肝臓における病的刺激が交感神経を経て交通枝を通り脊髄に伝えられ, この興奮による刺激が強度なる場合には脊髄の広範囲に伝達, 波及されることとなる. 「ひびき」の近代医学的考察で笹川博士の指摘している脊髄部中枢における神経細胞興奮の放射現象であるが, この状態をポッテンジャーはあたかも肝臓よりの砲撃が脊髄に命中炸裂し, その着弾地周囲を広く振盪するにたとえている. この刺激によって脊髄はその砲撃に一致する抹消支配部にあたかも異常あるがごとき伝令を大脳に送り, 大脳はこの刺激の程度いかんにより, 一定の抹消部にあるいは自発痛として感じ, あるいは潜在性疼痛(ロート)あるいは知覚過敏帯(ヘッド), あるいは内臓知覚反射(マッケンジー)として反応するものである.
ISSN:0913-0977