1-P2-5 熊本脳卒中地域連携パス─食機能連携ユニットパスの作成─管理栄養士の立場から
【緒言】 熊本県では, 熊本脳卒中地域連携ネットワーク研究会が発足し, 2007年より熊本脳卒中地域連携パスが稼働した. 当パスにより地域連携が強化され, 急性期から回復期へ, また回復期から維持期へのスムーズな転院が可能となった. 当パスは治療が中心であり, 食事, 摂食・嚥下リハビリテーションに関する詳細な情報も必要であると考え, 2009年に食リハケア分科会を設置した. 当分科会で作成した食機能連携ユニットパスについて管理栄養士の立場から報告する. 【方法】 当分科会は, ネットワーク研究会に所属する複数の医療機関の管理栄養士, 言語聴覚士, 摂食・嚥下障害看護認定看護師, 歯科医師,...
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Published in | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 14; no. 3; p. 405 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
2010
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Summary: | 【緒言】 熊本県では, 熊本脳卒中地域連携ネットワーク研究会が発足し, 2007年より熊本脳卒中地域連携パスが稼働した. 当パスにより地域連携が強化され, 急性期から回復期へ, また回復期から維持期へのスムーズな転院が可能となった. 当パスは治療が中心であり, 食事, 摂食・嚥下リハビリテーションに関する詳細な情報も必要であると考え, 2009年に食リハケア分科会を設置した. 当分科会で作成した食機能連携ユニットパスについて管理栄養士の立場から報告する. 【方法】 当分科会は, ネットワーク研究会に所属する複数の医療機関の管理栄養士, 言語聴覚士, 摂食・嚥下障害看護認定看護師, 歯科医師, 歯科衛生士, 医師で構成されている. ユニットパスの対象者は, 脳卒中地域連携パスを使用する全患者とした. 熊本市の医療機関の嚥下食を中心に調査したところ, 施設間で名称, 段階, 栄養量等が異なるため情報共有しにくいという現状があり, また患者や家族からは不安の声も上がっていた. 可能であるならば, 食事内容を統一することが望ましいと考えられるが, 施設ごとの状況の違いからすべてを統一することは難しいと判断した. そこで共通の指標として副食の形態をA~Fの6段階に分類した. パスの記入項目として, 副食形態, 主食内容, 水分のとろみの有無とその強さ, エネルギー量, 経管栄養使用の場合は商品名, 追加水分量も明記することとした. その他内服方法, 介助の有無, 姿勢, 呼吸状態, 口腔ケア等の摂食・嚥下リハビリテーションに関する項目も記載している. 2009年12月より, 一部の施設で試験運用している. 【結語】 今回のユニットパス作成により, 連携時に必要となる食事情報が容易に把握可能となった. ユニットパスを普及させることで, 急性期から維持期まで, スムーズかつ安全に継続した食事管理を行い, 患者や家族の不安の軽減と満足度の向上も期待したい. |
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ISSN: | 1343-8441 |