I-P1-4 段階的嚥下障害食~質の統一を目指して

【目的】当院では, 現在, 5段階6食種の段階的嚥下障害食(以下嚥下食)に加え, 嚥下食の次の段階としてソフト食を導入し, 体制を確立した. そこで, この嚥下食を栄養課からの食事提供のみにとどまらず, 患者様や家族にも自宅で同じ形態の食事ができるように, 食事指導用のパンフレットを作成した. また, 職員向けにも, 安定した食形態の嚥下食が作れるようマニュアルを作成した. 【方法】(1)パンフレットやマニュアルの内容を検討するために, 嚥下食調理経験者に, 嚥下食を作る上で難しいこと, 嚥下食についてわかりにくいことなどについてアンケートを取った. (2)食事指導用のパンフレットは, 患者様...

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Published in日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 12; no. 3; pp. 318 - 319
Main Authors 島田友香里, 道倉えり, 神谷春衣, 古橋啓子, 森下司, 田代典之, 山下隼人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会 2008
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Summary:【目的】当院では, 現在, 5段階6食種の段階的嚥下障害食(以下嚥下食)に加え, 嚥下食の次の段階としてソフト食を導入し, 体制を確立した. そこで, この嚥下食を栄養課からの食事提供のみにとどまらず, 患者様や家族にも自宅で同じ形態の食事ができるように, 食事指導用のパンフレットを作成した. また, 職員向けにも, 安定した食形態の嚥下食が作れるようマニュアルを作成した. 【方法】(1)パンフレットやマニュアルの内容を検討するために, 嚥下食調理経験者に, 嚥下食を作る上で難しいこと, 嚥下食についてわかりにくいことなどについてアンケートを取った. (2)食事指導用のパンフレットは, 患者様個々人に対応したものが提供できるように, 段階ごとに組み合わせて使える形式にした. (3)職員向けに作成したマニュアルは, 厨房内に掲示し, 食形態の安定と知識の共有を促した. 【結果】(1)アンケートの結果から, 食形態を食感から評価するだけではなく, 視覚的に評価する方法を取り入れ, 職員, 患者様家族でも評価しやすくなるように工夫した. (2)本パンフレットを使用しながら指導することで, 個別対応できる内容になってきた. (3)マニュアル導入により, 当院の嚥下食の形態が安定してきた. また, 職員からも形態がわかり, 作りやすくなったという評価を得た. 【考察】上記の結果より, 今後, パンフレットやマニュアルの成果を, アンケートや嗜好調査などで具体的に評価していきたい. また,今後の展望として,当院から近隣病院への転院時の情報提供や,リハビリ病院との連携,訪問看護ステーションの資料として,また,2008年4月から始まった「後期高齢者退院時栄養・食事管理指導」でも活用し,当院のような急性期病院からでも,積極的に在宅へ向けた支援を行っていきたい. そして,職員向けのマニュアルも,食形態を評価しながら再検討を行い,これからも形態の安定した食事の提供を継続していきたい.
ISSN:1343-8441