II-5-22 嚥下食研究会の取り組み~県内共通の嚥下食基準の実用化に向けて
「背景」前回私達は, 嚥下障害を持つ方が転院, 転所, 又は在宅へと移って行く場合に使用できる事も踏まえた和歌山県共通の嚥下食基準を作成した事を報告した. その後作成した嚥下食基準を広く利用してもらう為, 基準に準じたレシピ集を地元の特産品を取り入れて作成した. 又栄養士, 在宅嚥下障害者家族を対象に嚥下食作成方法のDVDを作成し, 嚥下食基準の実用化に向けて取り組んでいる. 「方法」嚥下食基準1から6に当てはまるメニューを, 地元特産品を取り入れ, それぞれ4種類ずつ作った. 又レシピ集の作成方法を確認する為, 調理実習を行った. 一方, 多職種対象の研修会も繰り返し行い, 多職種の意見を取...
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Published in | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 11; no. 3; p. 345 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
2007
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Summary: | 「背景」前回私達は, 嚥下障害を持つ方が転院, 転所, 又は在宅へと移って行く場合に使用できる事も踏まえた和歌山県共通の嚥下食基準を作成した事を報告した. その後作成した嚥下食基準を広く利用してもらう為, 基準に準じたレシピ集を地元の特産品を取り入れて作成した. 又栄養士, 在宅嚥下障害者家族を対象に嚥下食作成方法のDVDを作成し, 嚥下食基準の実用化に向けて取り組んでいる. 「方法」嚥下食基準1から6に当てはまるメニューを, 地元特産品を取り入れ, それぞれ4種類ずつ作った. 又レシピ集の作成方法を確認する為, 調理実習を行った. 一方, 多職種対象の研修会も繰り返し行い, 多職種の意見を取り入れる為, 参加者にアンケート調査を行った. 「レシピ集の問題点」1. 栄養士が考案した物は凝った物が多く, 手間がかかる物が多い. 2. 食材の使用頻度に偏りがある. 3. 同じ食材の展開ではない為, 物性の違いが理解し難い. であった. 「実習の問題点」1. 調理実習は会場の関係上, 参加人数が制限される為, 何度も繰り返し行う必要がある. 2. 段階や形態の違う嚥下食を一度に同時に盛り込む事で, 形態の違いを理解できる反面, 参加者に混乱を招く. であった. 「アンケート結果」一方, 研修会の参加者対象アンケートでは, それぞれの施設で困っている事として, 1. 嚥下食のメニューが画一的になる為さらに豊富なメニューを知りたい. 2. 自施設の嚥下食がどの段階の物であるかわからない. 3. 他職種間の連携の取り方がわからない. であった. 「今後の展開」今後は嚥下食基準やレシピ集を広く利用してもらい, 転院転所時の食形態を含めた栄養サマリーの作成申し送りや, 段階別の嚥下食調理実習を繰り返し実施する事により, より物性の安定した嚥下食を目指し, さらに多くの人に嚥下障害, 嚥下食に対する理解を深め, 同時に多くの人から意見を聞く事によりスムーズな連携を目指す事が今後の課題である. |
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ISSN: | 1343-8441 |