I-P3-23 当院での嚥下スクリーニングテストの結果について -専門的検査が困難な施設での嚥下評価
【目的】近年, 嚥下障害への関心が深まり, 実際患者様の食事について悩む事も多い. しかしVFのような専門的な検査を行なえる施設は多くない. そこでまず当院入院中の患者様の状態を把握し, 当院で実施できる方法を検討するために以下の調査をおこなった. 【対象】H15.11~H16.3までの間に入院していた, 経口摂取患者227名のうち協力をえられた195名(男35名, 女160名). 平均年齢85.2歳. 平均介護度4.2. 【方法】反復唾液飲みテスト(RSST)を実施し, RSSTが出来ない場合, アイスマッサージによる嚥下反射をみた. 水飲みテストは5ml, 10mlへと, 段階的検査を行っ...
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Published in | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 8; no. 2; pp. 224 - 225 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
2004
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1343-8441 |
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Summary: | 【目的】近年, 嚥下障害への関心が深まり, 実際患者様の食事について悩む事も多い. しかしVFのような専門的な検査を行なえる施設は多くない. そこでまず当院入院中の患者様の状態を把握し, 当院で実施できる方法を検討するために以下の調査をおこなった. 【対象】H15.11~H16.3までの間に入院していた, 経口摂取患者227名のうち協力をえられた195名(男35名, 女160名). 平均年齢85.2歳. 平均介護度4.2. 【方法】反復唾液飲みテスト(RSST)を実施し, RSSTが出来ない場合, アイスマッサージによる嚥下反射をみた. 水飲みテストは5ml, 10mlへと, 段階的検査を行った. 【結果】RSST3回以上可の者35名(I群), RSST1, 2回可の者92名(II群), RSST不可だがアイスマッサージで嚥下反射有りの者31名(III群), アイスマッサージ不可の者37名(IV群), 5ml水飲みテストが問題ない者117名, さらに10ml水飲みテストが問題ない者は87名(I群の60.0%, II群の50.0%, III群の32.3%, IV群の27.0%). 群別平均介護度:I群3.74, II群3.90, III群4.68, IV群4.53. 介護度を1~3と4~5に分けてみると, 介護度が高いほうが群も高くなる傾向がみられた. 【考察】1. RSSTは, 介護度が高い患者様の多い施設ではRSST1, 2回可能かどうかもチェックし, 痴呆などにより指示が入らない方には, アイスマッサージによる嚥下反射の有無をチェックすることでスクリーニングテストとして有用である可能性が示唆された. 2. 介護度は嚥下障害の程度を反映していると思われた. 3. スクリーニングテストを実施したことで, スタッフの嚥下障害に対する認識が高まるなどの二次的な効果が得られた. |
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ISSN: | 1343-8441 |