II-2-18 当院の食材料費からみた嚥下障害食についての検討
【目的】摂食, 嚥下障害には早期からの訓練が必要とされる. しかし, 急性期医療を施す病院においての嚥下障害食(以下, 嚥下食とする)は普及しているとは言い難く, 嚥下食の作成に対しては栄養部門の内部がかかえる問題も多くあげられる. そこで今回, 私たちは病院食における嚥下食を食材料費の面から検討してみた. 【検査と方法】当院における一般普通食, エネルギーコントロール食(1500kcal), 5分粥食, 軟菜きざみ食と嚥下食(ゼリー食, ペースト食, 軟固形食)において2003年2月(4週間)の献立と食材納入価格から一人一日あたりの平均食材料費を調査し比較した. また, 嚥下障害に対応した調...
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Published in | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 7; no. 2; p. 222 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
2003
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1343-8441 |
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Summary: | 【目的】摂食, 嚥下障害には早期からの訓練が必要とされる. しかし, 急性期医療を施す病院においての嚥下障害食(以下, 嚥下食とする)は普及しているとは言い難く, 嚥下食の作成に対しては栄養部門の内部がかかえる問題も多くあげられる. そこで今回, 私たちは病院食における嚥下食を食材料費の面から検討してみた. 【検査と方法】当院における一般普通食, エネルギーコントロール食(1500kcal), 5分粥食, 軟菜きざみ食と嚥下食(ゼリー食, ペースト食, 軟固形食)において2003年2月(4週間)の献立と食材納入価格から一人一日あたりの平均食材料費を調査し比較した. また, 嚥下障害に対応した調理済みの食品の使用頻度と食材料費にしめる割合を検討した. 【結果】平均食材料費では, エネルギーコントロール食でもっとも高く, ついで常食, 嚥下食(ペースト食), 軟菜きざみ食, 嚥下食(ゼリー食)の順であった. また, 嚥下食の食材料費に占める嚥下障害対応の調理済み食品の割合はペースト食で40.1%, 軟固形食で24.9%を占めていた. 【考察】嚥下食の食材料費は他の食腫と比べ, ほとんど差は見られなかった. しかし, 調理の手間や品質管理, また栄養補給の面なども考慮すると既製品の使用は避けられない. だが, 既製品は単価が高く, 残食も多い. 嚥下食の普及には入院時食事療養費に特別加算の許可が待たれるところである. |
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ISSN: | 1343-8441 |