摂食・嚥下障害に対する簡便な評価法について
【目的】 最近, 中枢性口腔機能障害患者の摂食・嚥下障害に対して積極的に摂食・嚥下訓練が行われるようになってきた. われわれは, 摂食・嚥下障害の評価法および体系的な治療法を確立するために, 独自の口腔機能評価法を考案し, 第4回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会総会にて有用性について報告した. 今回は前回の評価法を改変して, 臨床場面で短時間に実施可能であり, 治療指針が具体的に得られるような簡便な評価法を作成し, 患者への適応を試みたのでその結果を報告する. 【方法】 対象症例は, VF検査により口腔・咽頭部に障害が認められ, 摂食・嘆下訓練が必要と判定された中枢性口腔機能障害患者5例で...
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Published in | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 1999; no. suppl; p. 87 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
1999
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ISSN | 1343-8441 |
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Summary: | 【目的】 最近, 中枢性口腔機能障害患者の摂食・嚥下障害に対して積極的に摂食・嚥下訓練が行われるようになってきた. われわれは, 摂食・嚥下障害の評価法および体系的な治療法を確立するために, 独自の口腔機能評価法を考案し, 第4回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会総会にて有用性について報告した. 今回は前回の評価法を改変して, 臨床場面で短時間に実施可能であり, 治療指針が具体的に得られるような簡便な評価法を作成し, 患者への適応を試みたのでその結果を報告する. 【方法】 対象症例は, VF検査により口腔・咽頭部に障害が認められ, 摂食・嘆下訓練が必要と判定された中枢性口腔機能障害患者5例である. 口腔機能の評価項目と課題は, 1)呼吸機能(咳), 2)頸部の可動性(頸部前屈・後屈), 3)顎運動(最大開口量), 4)口唇(口唇閉鎖), 5)頬(頬ふくらましなど), 6)舌(前方挺出), 7)喉頭挙上(唾液嚥下など), 8)発声・鼻咽腔閉鎖機能(発声持続), 9)構音(構音など)である. さらに上記の課題が達成されない場合に実施する下位項目課題を1~3程度設定した. |
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ISSN: | 1343-8441 |