心不全リハビリテーションのトピックス ; 心不全フレイル

「慢性心不全の病態」 慢性心不全の代表的な臨床症状は労作時の息切れや易疲労性である. 収縮能障害を背景とした心不全(heart failure reduced ejection fraction; 以下, HFrEF)では, 虚血性心疾患や心筋症による心筋傷害を契機に左室駆出率が低下し, ある閾値を下回ると徐々に臨床症状が出現すると考えられている. 一方, 心不全の約半数は左室駆出率が保持されており, HFrEFに対してheart failure preserved ejection fraction (以下, HFpEF)と呼ばれる. HFpEFの背景には拡張能低下や血管機能不全が存在し,...

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Published in理学療法学 Vol. 43; no. suppl-3; pp. 75 - 76
Main Authors 山田純生, 足立拓史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 20.10.2016
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ISSN0289-3770

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Summary:「慢性心不全の病態」 慢性心不全の代表的な臨床症状は労作時の息切れや易疲労性である. 収縮能障害を背景とした心不全(heart failure reduced ejection fraction; 以下, HFrEF)では, 虚血性心疾患や心筋症による心筋傷害を契機に左室駆出率が低下し, ある閾値を下回ると徐々に臨床症状が出現すると考えられている. 一方, 心不全の約半数は左室駆出率が保持されており, HFrEFに対してheart failure preserved ejection fraction (以下, HFpEF)と呼ばれる. HFpEFの背景には拡張能低下や血管機能不全が存在し, 運動不足や高血圧をはじめとする生活習慣や加齢が関与している. 心不全の臨床症状は心機能のみで規定されず, 心筋傷害を契機とした神経体液性要因, 異化亢進(炎症), 呼吸調節異常, 骨格筋量・機能低下など, 病態進行につれ全身に及ぶことが特徴である.
ISSN:0289-3770