心血管理学療法における神経筋電気刺激療法

神経筋電気刺激療法(Neuromuscular electrical stimulation: 以下, NMES)は, 電流によって神経の活動電位を誘発し, それに伴う筋収縮を臨床応用した物理療法のひとつである. 従来, 理学療法領域では, おもに運動器疾患や中枢神経疾患の患者に対し筋萎縮や筋力低下の予防・改善ならびに運動機能回復を目的に適用されてきた. 一方, NMESには, 随意努力を必要とせず他動的に筋収縮を誘発できるという特性があることから, その適用は自覚症状や病態により自発的運動が困難な内部障害患者にまで広がっている. 2000年以降, 安定期にある重症慢性心不全や慢性呼吸不全患者...

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Published in理学療法学 Vol. 43; no. suppl-3; pp. 70 - 71
Main Authors 岩津弘太郎, 飯田有輝, 河野裕治, 小林聖典, 山崎武則, 貝沼関志, 碓氷章彦, 山田純生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 20.10.2016
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Summary:神経筋電気刺激療法(Neuromuscular electrical stimulation: 以下, NMES)は, 電流によって神経の活動電位を誘発し, それに伴う筋収縮を臨床応用した物理療法のひとつである. 従来, 理学療法領域では, おもに運動器疾患や中枢神経疾患の患者に対し筋萎縮や筋力低下の予防・改善ならびに運動機能回復を目的に適用されてきた. 一方, NMESには, 随意努力を必要とせず他動的に筋収縮を誘発できるという特性があることから, その適用は自覚症状や病態により自発的運動が困難な内部障害患者にまで広がっている. 2000年以降, 安定期にある重症慢性心不全や慢性呼吸不全患者に対しNMESを適用したランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial: 以下, RCT)が数多く報告され, 2013年のCochrane Libraryの系統的レビューではメタアナリシスにてNMESが有害事象なく重症慢性心不全や慢性呼吸不全患者の下肢筋力や運動耐容能を改善することが報告されている.
ISSN:0289-3770