漏斗胸患児に対する理学療法と今後の課題

漏斗胸とは胸骨下部が著明に陥没した状態であり, 肋軟骨の過成長や横隔膜の異常靱帯の牽引などが病因とされている. 当センターでは1998年に報告されたNuss法を1999年度より行っている. Nuss法とはステンレス製のバーを胸腔内に挿入, 胸骨を挙上して最低2年間そのバーを留置する術式である. 手術前後を通した漏斗胸患児に対する理学療法と, 今後の課題について報告する. 〔対象〕2000年度Nuss法を実施した5症例(年齢5~13才, 男児4名, 女児1名)を対象とした. 対象児の胸郭変形の程度はCT index(=横径/前後径)で3.91~9.30であり, 手術適応は一般的に3.5以上とされ...

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Published in理学療法学 Vol. 28; no. suppl-2; p. 369
Main Authors 田中しのぶ, 臼田由美子, 田島弘, 浜島昭人, 清水信三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 2001
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Summary:漏斗胸とは胸骨下部が著明に陥没した状態であり, 肋軟骨の過成長や横隔膜の異常靱帯の牽引などが病因とされている. 当センターでは1998年に報告されたNuss法を1999年度より行っている. Nuss法とはステンレス製のバーを胸腔内に挿入, 胸骨を挙上して最低2年間そのバーを留置する術式である. 手術前後を通した漏斗胸患児に対する理学療法と, 今後の課題について報告する. 〔対象〕2000年度Nuss法を実施した5症例(年齢5~13才, 男児4名, 女児1名)を対象とした. 対象児の胸郭変形の程度はCT index(=横径/前後径)で3.91~9.30であり, 手術適応は一般的に3.5以上とされている. 〔方法〕医学的情報は手術前後の胸部X-p, CT, 心電図, 心エコー, 換気血流シンチグラムなどの所見を参考にした. 手術前後に呼吸機能(スパイロメータ), 体幹・肩関節のROM, MMT, 直視およびVTRを使用した姿勢観察, 呼吸パターンを評価した.
ISSN:0289-3770