脚長差が関節モーメントに及ぼす影響

脚長差が認められる場合, 骨盤の上下運動や前後回旋運動, 膝関節伸展角度に左右差が生じることを報告した. つまり脚長差歩行の代償運動として, 下肢関節, 特に骨盤の働きの重要性が確認された. 今回この骨盤の動きの違いが, 関節周囲に働く力にどのように影響するかを探る目的で, 下肢関節モーメントを計測し検討したので報告する. 〔方法〕対象は, 脚長差のない20~27歳(平均21.4歳)健常女性5名で行った. 関節モーメントの計測としては, 股関節, 膝関節, 足関節の角度変化と, 床反力からの計測値からDIFF変換して算出した. 身体運動の測定は, 三次元動作解析装置(エリートプラス, BTS...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in理学療法学 Vol. 28; no. suppl-2; p. 228
Main Authors 堀秀昭, 伊藤清吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 2001
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:脚長差が認められる場合, 骨盤の上下運動や前後回旋運動, 膝関節伸展角度に左右差が生じることを報告した. つまり脚長差歩行の代償運動として, 下肢関節, 特に骨盤の働きの重要性が確認された. 今回この骨盤の動きの違いが, 関節周囲に働く力にどのように影響するかを探る目的で, 下肢関節モーメントを計測し検討したので報告する. 〔方法〕対象は, 脚長差のない20~27歳(平均21.4歳)健常女性5名で行った. 関節モーメントの計測としては, 股関節, 膝関節, 足関節の角度変化と, 床反力からの計測値からDIFF変換して算出した. 身体運動の測定は, 三次元動作解析装置(エリートプラス, BTS S.P.A.), 床反力はキスラー社製を使用した. 方法は, 対象者に右足底補高による脚長差0・1・2・3cmの4変数, 歩行速度の変化2・3・4・5・6Km/hの5変数とし, それぞれの測定条件で歩行させ関節モーメントを計測した. 分析は, 測定条件の関係を検討するため分散分析を用い, またpost hoc testにより比較検討した.
ISSN:0289-3770