理学療法の20世紀をふり返り, 21世紀を語る

1.リハビリテーションの認知 障害という明らかな概念がなかったとはいえ, 疾病や外傷にリハビリテーションが必要であることは古くから認知されていた. しかし医学が病因を追求すること, 治療法を発見すること, 命を救うことなどが精一杯である時代には, 障害に対する組織的広範な取り組みは行われていなかった. しかし, 20世紀になると世界的に科学としての医学の急速な発見・発展があり, それと同時に障害へのアプローチも注目されリハビリテーションが発展してきた. わが国では, 科学的評価治療が諸外国から入ってきたのに刺激され, 近代的リハを模索する動きが次第に大きくなってきた. 2.理学療法士の誕生 昭...

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Published in理学療法学 Vol. 28; no. suppl-1; p. 77
Main Author 土肥信之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 2001
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ISSN0289-3770

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Summary:1.リハビリテーションの認知 障害という明らかな概念がなかったとはいえ, 疾病や外傷にリハビリテーションが必要であることは古くから認知されていた. しかし医学が病因を追求すること, 治療法を発見すること, 命を救うことなどが精一杯である時代には, 障害に対する組織的広範な取り組みは行われていなかった. しかし, 20世紀になると世界的に科学としての医学の急速な発見・発展があり, それと同時に障害へのアプローチも注目されリハビリテーションが発展してきた. わが国では, 科学的評価治療が諸外国から入ってきたのに刺激され, 近代的リハを模索する動きが次第に大きくなってきた. 2.理学療法士の誕生 昭和40年に理学療法士法および作業療法士法が成立し, 養成教育と国家試験が行われるようになった. 教育は近代的なリハのために欠かせない国際的水準を満たすもので, 運動療法と物理療法を中心とした体系付けられた内容でスタートした.
ISSN:0289-3770